2016年11月19日(土) 12:00
そりゃぁまぁ、1、2着に来た馬を「府中牝馬Sに出た関西馬」 という理由だけで消しちゃったのがいけないんです。でも、そうやって何かをバッサリ消さないと、データ作戦の意味がなくなっちゃいますから。とはいえ、もともと大したものじゃなかった自信が、木っ端みじんに打ち砕かれてしまいましたよ。
さて今週はマイルチャンピオンシップ。データ作戦を続けるには相当な気力を振り絞らなければなりませんが、歯を食いしばって予想します!
ところが、ここは逆に、消せない馬ばかりで困っています。とくに、人気になりそうなイスラボニータ、ミッキーアイル、サトノアラジン、ヤングマンパワー、ロードクエストあたりは、重箱の隅をつっつくようなことをしないと消す材料が見つかりません。
それでもあえて“注文”を付けると、イスラボニータは「まる2年以上も勝っていない馬は、少なくともここ20年で優勝していない」というデータに引っ掛かります。ミッキーアイルは「前走がスプリンターズSだった馬の優勝は04年のデュランダル以来なし。NHKマイルCの1〜3着馬からはこのレースの優勝馬が出ていない」ので“?”です。
さらに、サトノアラジンは「スワンSからの連勝は97年のタイキシャトル以来なし」、ヤングマンパワーは「3走前が条件戦というのは去年のモーリスと同じ。そのパターンが2年続くかは疑問」、ロードクエストは「NHKマイルC2着馬(=ミッキーアイルと同じ条件)」というデータを元にすれば、それぞれ“優勝候補から外してもいい馬”になっちゃうんです。
しかし、みなさんもご存知のように、私のデータ予想はなかなかうまいこと当たりません。中にはメルボルンCのときのように、データ作戦はほぼ的中していたのに、最後の最後で矛盾した買い目を買っちゃった、なんていうケースもありましたが…。
でもそれ以外は、かなり深いところまでデータを掘り起こして結論を導き出したにもかかわらず、その予想がハズレてしまうわけです。ということは、今回は上に挙げたデータのどれかが覆されるような気がしてきました(かなり弱気)。では、どの“消しデータ”が一番頼りなさそうでしょうか?
やっぱり、「スワンSからの連勝馬がしばらく出ていない」ってところですかねぇ。だとすれば、サトノアラジンになるんですけど。
あっ、そうそう、過去のレース結果には、外国人に日本の騎手免許が与えられなかった時代のものが多く含まれています。だから、“免許開放”以降、それをアテにした予想がよくハズレるのかもしれません。イスラボニータとヤングマンパワーは消さないほうがよさそうですね(だったら、外国人頼みとハッキリ言えばいいじゃないか!)。
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矢野吉彦
テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。
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