2017年03月11日(土) 12:00
◆代替開催に立ちふさがる問題
このコラムがアップされるのは土曜日の正午。そして私は、テレビ東京で午後3時(BSジャパンは午後2時30分)から放送される「ウイニング競馬」に出演します。
ちょうど6年前の3月11日午後2時46分、東日本大震災が発生しました。あの年の3月11日は金曜日でしたが、それ以降、3月11日が土曜日になるのは今年が初めて。きょうに当てはめれば、まさに番組真っ最中の時間だったんですね。
おそらく、「ウイニング競馬」(BSジャパンの放送枠)では、ふだんと変わりなくその時間を迎え、すぐに2時51分発走の中京10レースの実況へ切り替わると思います。でも、決して6年前のあの時を忘れたわけではありません。その点は、なにとぞご理解のほどをお願いしておきます。
さてさて、来年のJBCをJRAが主催して京都競馬場で開催する、という発表がありました。これで、地方の主催により、中央の競馬場でJBCを開催する可能性はほとんどなくなってしまったと言えそうです。
そういうプランは、netkeiba.comのコラム「地方競馬に吠える」の中で斎藤修さんが提唱されていました。斎藤さんの主張は「たとえば兵庫県競馬組合の主催で、阪神競馬場を舞台にJBC開催ということはできないものだろうか。かつては、札幌、函館、新潟、中京などの競馬場で地方競馬の開催も行われていただけに無理な話ではないだろう」(去年2月12日更新分)というもの。来年の京都JBCが、どこかの地方競馬場の主催だったら、それが“現実”になったんですけど…。
中央の競馬場を使って地方の主催でJBCを開催することはない、とすれば、震災で開催不能になった競馬場の代わりに、他の競馬場で臨時の開催を行うのも難しいでしょうね。
東日本大震災の時には、大きな被害を受けた岩手の競馬を、どこか他の競馬場で開催すればいいのに、と思ったこともありました。でも考えてみれば、それには、代替競馬場の馬房数とか、競走馬と人の輸送とか、さまざまな問題が立ちはだかります。まぁ、ハッキリ言ってムリな話でしょう。
とはいえ、いつどこで起こるかわからない大きな自然災害に備えて、競馬も態勢を整えておかなければいけません。これは、大震災発生以降、何度か書いてきたことです。
地方競馬では、トータリゼーターシステムのバックアップができるように、現在1カ所しかないセンターをもう1カ所、新設しているとのこと。中央と地方の連携強化も、ここ数年で格段にレベルアップしました。
地方競馬の場合、よその競馬場で開催することを考えるより、自場で競馬ができるようにすることを最優先にしたほうがいいのかもしれません。スタンドが使えなければ、無観客でレースを実施して、馬券は他場とネットで発売するのです。そのための“インフラ”は、すでに整備済みですからね。
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矢野吉彦
テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。
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