ゴール前一瞬の脚を生かしたブラゾンドゥリス/黒船賞・高知

2017年03月15日(水) 18:00

撮影:武田 明彦


地方初参戦の2頭での決着

 ダート戦では中央・地方とも多くの競馬場で1400mの設定があり、必然的にダートの短距離馬の多くが1400mを経験することになる。ただ同じ1400mでも、中央では3、4コーナーしか回らないのに対して、地方(盛岡、大井は除く)ではコーナーを4つ回るという違いがある。それゆえ中央の1400m戦は一気に突っ走る印象があり、地方の1400m戦は向正面で息が入ることが多い。必然的に、中央の1400mが得意な馬と、地方の1400mが得意な馬とに別れることになる。もちろんどちらでもこなせる馬というのもいるだろう。

 今回、地方初参戦の2頭での決着となったのは、小回りのコーナーを4つ回る1400mの割には道中で息の入らない流れになったがゆえと思う。

 これといった逃げ馬がいない中で、先頭に立ったのはニシケンモノノフ。内枠ゆえ1〜2コーナーで自然とハナに立ったということもあるが、断然人気を背負っているだけに控えて包まれたときのリスクを考えれば当然正攻法の競馬になる。スタート直後はグレイスフルリープが、その後はブラゾンドゥリスが競りかけてきたため、ニシケンモノノフは勢いがついて1コーナーに入る形となった。湿った馬場状態を考えればハイペースというほどでもないが、先に書いたように、これで道中ペースが緩まず息の入らない流れになった。中央勢+兵庫のトウケイタイガーが先行集団を形成し、中団からうしろの地方勢はバラけて縦長の展開となったことでも、厳しい流れだったことがわかる。

 昨年の黒船賞でのニシケンモノノフは、勝ったダノンレジェンドに1馬身差で食い下がったが、外枠から3番手に控え、しかも・・・

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斎藤修

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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