2017年03月22日(水) 18:15
▲ドバイ・ゴドルフィンマイルに出走予定のカフジテイク、最終追い切りの感触をお届け(写真は根岸S優勝時、撮影:下野雄規)
今週末は、いよいよドバイワールドカップデー。先週の3日間開催終了後にドバイ入りし、先ほど(現地時間)久しぶりにカフジテイクに跨った。フェブラリーSのあとは多少疲れが見られたらしいが、今日の感触からすると調子はすこぶるいい。輸送もうまくいったようだし、出国前にあまり強い負荷を掛けなかったことが吉と出て、調子は右肩上がりといったところだ。
初めての馬場だけに、レースでいきなり全力で走らせると戸惑う可能性もあると考え、調教は全力に近い状態で、さらに終いを強めに追った。初めての馬場にも戸惑うことなく、さすがといえるいい動きで、理想的な負荷を掛けられたと思う。
基本的には追い込みが利きにくい馬場で、どういうスタイルで競馬ができるかも含め、レースはスタートしてみなければわからない。ただ、前記の通り、馬は非常にコンディションがいい。追い込みでここまで出世してきた馬だが、そこはあまり決めつけずに、流れのなかでベストな騎乗をしたいと思っている。
また専門的な質問になるのですが、自分が育成牧場で働き出した頃から良く聞くのが、「うるさい馬のほうが走る」「変に性格を抑えつけると馬が走らなくなる」という言葉です。この仕事を始めた当初は気にも留めていなかったのですが、今では「それは違うのでは?」と考えています。
自分は馬をアスリートだと思っています。アスリートとは、その日の体調やモチベーションに関わらず一定の結果を出せる人であり、馬もそういう風に作っていきたいという思いがあります。キャリアの浅い馬たち同士のレースであれば、「能力はあるが何もわかっていない馬」よりも、「能力的に少し劣っていてもアスリート的な要素が出来ている馬」のほうが、勝てるチャンスが大きいのでは?という考えです。
自分は、「とりあえず1勝!」を目指して仕事をしています。福永さんが若駒に乗ったときの印象で、そういった部分がどう影響しているのかを教えていただければありがたいです。・・・
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2013年にJRA賞最多勝利騎手に輝き、日本競馬界を牽引する福永祐一。まだまだ戦の途中ではあるが、有言実行を体現してきた彼には語り継ぐべきことがある。ジョッキー目線のレース回顧『ユーイチの眼』や『今月の喜怒哀楽』『ユーザー質問』など、盛りだくさんの内容をお届け。
福永祐一
1976年12月9日、滋賀県生まれ。1996年に北橋修二厩舎からデビュー。初日に2連勝を飾り、JRA賞最多勝利新人騎手に輝く。1999年、プリモディーネの桜花賞でGI初勝利。2005年、シーザリオで日米オークス優勝。2013年、JRA賞最多勝利騎手、最多賞金獲得騎手、初代MVJを獲得。2014年のドバイDFをジャスタウェイで優勝。
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