2017年04月21日(金) 18:00
◆牝馬のエース格「3頭」がそろった
もう、5世代の産駒が走っていて、JRAの重賞勝ち馬、2着馬が1頭ずつしかいないのだから、種牡馬メイショウサムソン(14歳)は成功しているとは言いがたいが、牝馬のエース格の「3頭」がそろった今回、相手もそんなに強力ではない。チャンスだろう。
とくに候補と思えるのはフロンテアクイーン。昨年のフローラS4着→オークス6着(0秒4差)のこの馬、前々走の初音S(東京1800m)が強かった。ジリ脚と思えたが、後半「11秒4-11秒0-11秒5」の高速上がりを、馬群の中から一気に抜け出して自身の上がりは33秒2。33秒台前半など初めてだった。
前回の中山での凡走をみると、東京の成績がいいのに対し右回りはもう一歩とされるが、初音Sで猛然と伸びたのは坂を上がってからの1ハロンであり、隠れた平坦巧者だからではないか、という気がする。5代母にソシアルバターフライをもつトウショウボーイ一族であり、配されてきた種牡馬はネプテューヌス→ダンディルート→ブレイヴェストローマン→そしてサンデーサイレンス。きわめて平坦適性の高いサイアーばかりである。
メイショウサムソンも小倉デビューで、当時は平坦だった中京、直線平坦の京都に良績があるから平坦適性は高い。最近、メイショウサムソンの属するガーネット一族から、福島記念を1着、2着したミトラが出現したが、ミトラの母母ノーザンプリンセス(七夕賞3着)と、メイショウサムソンの母マイヴィヴィアンは姉妹である。
デンコウアンジュはあれっきりで、今回もあまりデキは良くないからこちらは大穴ならだが、堅実だったメイショウサムソンは母の父ダンシングブレーヴ。ツボにはまると大駆けする血を伝えているのである。春男だったメイショウサムソンは3〜5月の重賞レース【5-1-0-1】だった。昨春、連続好走したハピネスダンサーにはこの特質が伝えられているのかもしれない。今回の動きは前走時よりだいぶいい。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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