2017年05月31日(水) 18:01
▲ダービージョッキーとなったルメール騎手、騎乗のスゴさを分析 (C)netkeiba
ルメール騎手のレイデオロの勝利で幕を閉じた今年のダービー。スワーヴリチャードで挑んだ四位騎手は2着でした。これで3週連続のGI制覇となったルメール騎手。同じ騎手から見て、彼の騎乗はどこがスゴいのか。武豊騎手との共通点など、ポイントを検証します。「お手本にしてみたけど、そう簡単ではなくて…」と明かした佑介騎手。自身の向上に努める佑介騎手の姿を見続けてきた四位騎手からの、心のこもったアドバイスとは。(取材・構成:不破由妃子)
(前回のつづき)
佑介 以前からずっと思っていることがあって、四位さんにも何度か直接伝えてきたと思うんですけど、長期で海外に乗りに行ってみようという気持ちはありませんか? 僕としては、日本にもこんなにすごいジョッキーがいるんだっていうことを、世界に知らしめてほしいなといつも思っているんですが。
四位 もう少し若ければ考えたかもしれないけど…。年齢的に、もうそういう気持ちにはならないよ。あと俺はね、根性がないから。ホントに(苦笑)。佑介は一人でフランスに行ったんでしょ? 佑介にしろ、タナパク(田中博康現調教師)にしろ、心の底からすごいなと思ったよ。
佑介 僕がフランスに行ったのと四位さんに行ってほしいと思うのは、意味合いが違いますからね。僕は勝負をしにいくというよりは、修行的な意味合いの方が強かったので。
四位 それにしてもさ、思い立ってポンと行けるなんて勇気があるよね。やっぱり、そういう壁を超えると、意識が変わるのも見ていてわかるし。佑介も「意識高い系」になって帰ってきたもんな(笑)。
▲「そういう壁を超えると、意識が変わるのも見ていてわかるし。佑介も“意識高い系”になって帰ってきたもんな(笑)」
佑介 四位さんに「お前、そういう空気感を出すなや」って言われたことがありましたね(笑)。
四位 言った、言った(笑)。でも、佑介のように苦しい思いを一人でしてくると、本人の充実感ももちろんあるだろうし、競馬にも当然熱が入ってくる。それは見ていて感じたよ。
佑介 ありがとうございます。帰ってきてからは、気持ち的にはスッキリしていて、むしろ行く前のモヤモヤしている時期が一番しんどかったです。
四位 そういう悩みって、けっこう人には言えないものだしな。
佑介 そうなんです。誰かに相談して共感してもらえれば、その時は楽になるかもしれないけど、根本的な解決にはならないんですよね。だから、人に相談するのはちょっと違うのかなって。
四位 そうだよな。それに、見てる人はちゃんと見てるから。俺も佑介の変化は感じ取っていたし、そのうえでアドバイスしたのが「直線でもっと必死になれ」ということ。もっともがけ、もっと暴れていいんだって言ったよな。・・・
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JRAジョッキーの藤岡佑介がホスト役となり、騎手仲間や調教師、厩舎スタッフなど、ホースマンの本音に斬り込む対談企画。関係者からの人望も厚い藤岡佑介が、毎月ゲストの素顔や新たな一面をグイグイ引き出し、“ここでしか読めない”深い競馬トークを繰り広げます。
藤岡佑介
1986年3月17日、滋賀県生まれ。父・健一はJRAの調教師、弟・康太もJRAジョッキーという競馬一家。2004年にデビュー。同期は川田将雅、吉田隼人、津村明秀ら。同年に35勝を挙げJRA賞最多勝利新人騎手を獲得。2005年、アズマサンダースで京都牝馬Sを勝利し重賞初制覇。2013年の長期フランス遠征で、海外初勝利をマーク。2018年には、ケイアイノーテックでNHKマイルCに勝利。GI初制覇を飾った。
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