2017年08月16日(水) 18:00
今回は競走馬がぐっすり眠る“ベッド”を調査
夏休み! プールや砂場ではしゃぎ、ぐっすり眠る子供たちを街のあちらこちらで見かける。「寝る子は育つ」というが、競走馬はどんな“ベッド”で眠っているのだろうか。馬は人間ほど長時間、横になって寝ないというが、馬房で過ごす時間は1日の大半を占める。そこに敷かれているのは昔ながらの藁や、現代の主流・チップ。それぞれの良さについて、使用している調教師に聞いてきた。(取材・文・写真:大恵陽子)
【藁:坂口正則厩舎の場合】
朝の調教終わり。坂口正則厩舎を訪れると、馬房に入る扉の前に藁が干されていた。
「うちは師匠の時代から藁だね。干す手間はかかるけど、もうずっと藁を使っていますよ」
坂口師はそう笑った。約50年前、坂口師が京都競馬場で騎手見習いや騎手をしていた頃、所属厩舎は藁を使っていたという。
「騎手時代は干した藁を返すのを手伝っていたよ。京都競馬場に厩舎があった頃は50頭以上いたからね。結構時間がかかったけど、厩務員さんだけじゃ大変だからみんなで手伝ったりしてね。昔は藁も高価だったから大事に使っていたんだよ」
主流だった藁も現在、栗東トレセンで使用している厩舎は2割弱となった。しかし、馬糞などで汚れた藁は、発酵させれば堆肥となる。物を大切に使う日本人の精神が宿っているように思う・・・
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