期待外れの4、5歳馬が多すぎた/札幌記念

2017年08月21日(月) 18:00


◆サクラアンプルールは時計優先の軽快なレース向きか

 この10年間だけでも、2016年モーリス、2015年トーホウジャッカル、2014年ゴールドシップ、2013年ロゴタイプ、2012年ヒルノダムール、2011年レッドディザイア、2009年ブエナビスタ、2008年マツリダゴッホ…など、1〜2番人気に支持されたGIホースが、簡単に負けてしまうのが夏の札幌記念である。
トップホースにとっては、秋のビッグレースシーズンに向けた始動のレースであり、札幌記念を勝つために北海道に遠征したわけではない。充電のオーバーホールを終え、展望の広がるレースができれば札幌記念の敗戦は、むしろ秋への糧となる。昨年のモーリスなどまさにその典型例だった。

 ただ、GI馬(2歳戦は別)のいなかった今年のメンバーは、同じ始動の1戦とはいえ、掲げるテーマが別だった。秋のビッグレースに向け、とくに「4〜5歳馬」にはこの秋こそは…の手応えがほしかった。この夏のパワーアップと、ひと回りの成長を自信にしてほしかった。

 4歳の伏兵ロードヴァンドール(父ダイワメジャー)が内から先手を主張し、これに外から7歳マイネルミラノ(父ステイゴールド)が2番手におさまったレースは「60秒7-59秒7」=2分00秒4。レース上がりは「47秒6-35秒7-12秒0」。どの馬も能力を発揮しやすいスローに近い平均ペースで、良馬場にしては勝ちタイムも、上がりも平凡。凡走は受け入れたくなくなるレースであり、厳しくない2000mだった。  勝ったのはこれが初重賞制覇となる6歳サクラアンプルール(父キングカメハメハ)。猛然と2着に突っ込んできたのは、ダートを中心にここまでOPクラス【0-0-2-7】の8歳馬ナリタハリケーン(父キングカメハメハ)である。

 6歳サクラアンプルールは・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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