2017年08月25日(金) 18:00
◆伏兵を主力に手広く
距離が1800mになったのは2012年から。ハンデ戦のわりにそう大波乱の結果はないが、2015年から「ワールドオールスタージョッキーズ」と日程が重なった。
ふつう、オープン馬のレースはそう著しい「乗り替わり」はないが、15年は14頭中の「11頭」が、昨16年は14頭中の「12頭」が前回とジョッキーが異なっていた。トップ騎手は札幌に移動しているからでもある。
今年はフルゲート15頭のうち、実に「13頭」が乗り替わりであり、そのうち「11頭」がテン乗りとなった。なおかつ「6頭」が初コースである。
日曜の「新潟2歳S」も同様の傾向が生じている。新馬や2戦目の未勝利戦を勝ち将来に大きな期待の生じた注目の2歳馬は、新潟のマイル戦は大きな魅力でも、コンビの騎手や望みの騎手が確保できればともかく、トップ騎手のいない中での乗り替わりを嫌って、新潟2歳Sへの出走に二の足を踏む陣営も出てきた…などともいわれる。オーナーの気持ちを察すれば、せっかく期待が高まったところで、「お目当ての騎手がいないので、まあ一応、今回は…」というトーンの乗り替わりは、およそ歓迎ではないだろう。大事に育てたい2歳馬である。
BSN賞は古馬のオープン馬で、ここが大目標などというレースではないから、乗り替わりは当然の成り行きではあるが、「初コース、テン乗り、ハンデ」。難しい3点セットが揃っては、波乱の可能性(危険性)大だろう。
3代母はパシフィカス。トニービン産駒の祖母はナリタブライアン(父ブライアンズタイム)の半妹で、母の父は一族の主力種牡馬ブライアンズタイム、そこにゴールドアリュール。しばらく伸び悩んでいたが、再びオープンに復活は遅咲きだからか。タメて進むようにしたこともあるが、ここ3戦連続して上がりは最速「36秒3、35秒3、35秒6」であり、勝ちみの遅さはなくなった。オープン馬になったからには、賞金を加算しないことには希望のレースに出走できない。準オープン時代とは目ざすところが違ってきたのである。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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