2017年10月02日(月) 18:00
◆世界のビッグレースで通用するのか大いに興味がある
昨年は3カ月の休養明け。今年も6月の安田記念から4カ月の休み明けとなった6歳馬{horse=201706040911:レッドファルクス}(父スウェプトオーヴァーボード)が強烈な追い込みを決め、スプリンターズS「2連覇」を達成した。
GIになって以降、93、94年のサクラバクシンオー(父サクラユタカオー)、12、13年のロードカナロア(父キングカメハメハ)につづき、3頭目の快挙である(G1以前には、74、75年の牝馬サクライワイ、77、78年の牝馬メイワキミコの連勝がある)。
史上3頭目のスプリンターズS「2連覇」を達成したレッドファルクス(撮影:下野雄規)
サクラバクシンオーは種牡馬として大成功し、新種牡馬ロードカナロアの評価は急騰している。2頭と同じように、レッドファルクスはマイルまでこなせる総合力も秘めている(安田記念0秒1差の3着)。やがて種牡馬となるとき「フォーティナイナー…エンドスウィープ…スウェプトオーヴァーボード…」と連続してきた、パンチあふれるスピード系の発展、継続に貢献することになるだろう。
芝コンディションの微妙な変化。また、強力な先行力を主張するスピード型の減少。さらには、距離を問わず前半スローから後半勝負への傾倒により、中山1200mのスプリンターズSの中身は変化している。今年1分07秒6のレースバランスは「33秒9-33秒7」。16年、同じレッドファルクスがそっくり同じ1分07秒6で差し切ったレースこそ前傾の「33秒4-34秒2」だったが、15年にヴィクトリアマイル2連覇のストレイトガールが差し切った1分08秒1のレース全体は「34秒1-34秒0」。この3年間で、以前の中山1200m(前半は下り坂に近い)ではありえなかった「後半600mより、前半600mの方がゆるいペース」が2回も出現したのである。
少し前、ロードカナロアがレコードの1分06秒7で抜け出した12年は「32秒7-34秒0」。タイキシャトルが抜け出した97年の1分07秒8は・・・
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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