過酷な豪雨の3000mを乗り切った菊花賞馬として語り継がれる/菊花賞

2017年10月23日(月) 18:00


◆3分18秒0以上の決着になったのは「71年ぶり」

 日本のクラシック競走5冠は、「桜花賞もオークスも、皐月賞も日本ダービー」も創設時とはコース、距離、時期などに変遷があるが、「菊花賞」だけは1938年の第1回からその年に竣工なった京都競馬場で、秋シーズンに、同じ3000mで行われてきたという歴史を誇っている。1979年のみ馬場改修のため阪神。

 「何十年ぶりの記録的な…」は、最近の決まり文句に近いが、芝状態も、レースの運び方も大きく異なるとはいえ、菊花賞3000mが3分18秒0以上の決着になったのは、1946年以来、実に「71年ぶり」だった。今年の3分18秒9より時計を要した記録は、1941年の初代3冠馬セントライトの3分22秒3、1943年、大差勝ちした歴史的名牝クリフジ(11戦不敗)の3分19秒3など、遠い昔の1930〜1940年代にわずか4例しかない。

 キセキ(父ルーラーシップ)は、長い菊花賞の歴史の中で、もっとも過酷な豪雨の3000mを乗り切った菊花賞馬として、ファンに語り継がれることになるだろう。
重賞レース回顧

過酷な豪雨の3000mを乗り切ったキセキ(C)netkeiba.com

 3000mの中身は「64秒1-68秒8-66秒0」=3分18秒9。近年では15ハロンすべて・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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