2017年11月03日(金) 18:00
◆この先も短距離戦にとどまるとは思えない
頭数は多くないが、今年は2勝以上馬が5頭も含まれ、また例年以上にレベルの高い馬がいる組み合わせになった。短距離戦にとどまらず、距離の幅を広げそうな馬もいる。
タワーオブロンドンの3代は母ドッフザダービー。この牝馬は輸入された英ダービー馬ジェネラス、マイラーズCのオースミタイクーンなどの母として知られる。
ドッフザダービーの半姉が、凱旋門賞に2回挑戦して、2着(勝ち馬アレッジド)、5着のトリリオン(父ヘイルトゥリーズン)であり、その代表産駒がジャパンCに2度来日し、母に次いで凱旋門勝に3度も挑戦し、3着(勝ち馬ダンシングブレーヴ)、3着、13着(勝ち馬トニービン)の女傑トリプティク。
オルフェーヴルを5馬身もちぎった2013年、ゴールドシップなど日本馬3頭を問題にしなかった2014年の凱旋門賞で2連勝を飾り、3度目は4着だった牝馬トレヴ(父モチヴェイター)は、その4代母がトリリオンである。
タワーオブロンドンは、こういう凱旋門賞大好き牝系の出身で、母の父はダラカニ(その芦毛は凱旋門賞3着の輸入種牡馬クリスタルパレスゆずり)。ダラカニは仏ダービー馬であると同時に凱旋門賞馬でもある。
父レイヴンズパス(その父はゴーンウェスト産駒のイルーシヴクオリティ)は欧州のマイラーだったが、アメリカに遠征してBCクラシック(AW10F)に出走すると、レコードで勝ってしまった。そのとき、しんがりに負けたのが日本のカジノドライヴ(藤沢厩舎)で、タワーオブロンドンはなぜか藤沢厩舎である。
前回のききょうSは、決まり手は追い込みだが、途中からスパートし3馬身半も抜け出している。ここまでは短距離指向だが、モハメド殿下のダーレージャパンの馬でもあり、タワーオブロンドンがこの先も短距離戦にとどまるとは思えない。大きく変わってきそうに思える。
アサアクサゲンキはずっと短距離路線だが、半姉ラビットランと同じように、予測展望とは違って、実は…中距離でもの可能性がある。母の父に、アメリカンボスや、デルタブルースと同じくディキシーランドバンドの名がある。今年の京王杯2歳S組は楽しみな馬が多い。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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