ディープ産駒本領発揮のとき

2017年11月11日(土) 12:00


◆京都外回り2200米での成績は他を圧している

 京都の外回り2200米は第3コーナーの高低差4.3米の坂越えがあり、内回り2000米の秋華賞とは大きく異なる。エリザベス女王杯との連勝が少ない理由とされている。問われるのはスタミナであり、上がり3ハロンの瞬発力勝負になることの多い他のレースとは、明らかに違う。

 これまでの傾向をみてくると、京都の外回りは第3コーナーからのロングスパートが利き、長距離戦でペースがそう速くはならないかわりに、3・4コーナーの下り坂から一気にペースが上がることが多い。このレースパターンに最も合っているのがディープインパクト産駒で、事実、京都外回り2200米での成績は他を圧している。

 それともう一点。たまに上位にくる伏兵馬をみてみると、それまでに2200米以上のレースで勝っていたものが多く、近走の成績が悪くても、それは距離不足のためで、ここでは見直してもいいとなっている。残念ながら今年はそれに該当する馬は見当たらない。

 こう見てくると、今年のエリザベス女王杯は、下馬評に上がっている何頭かの中から選んでいいことになる。ただ、4歳以上とは斤量差2キロのアドバンテージのある3歳馬は気になる。それと、4歳馬が5歳馬より好成績をおさめていることも考えておきたい。

 こうしてみてくると、4歳馬ではヴィブロスを。去年の秋華賞と、今年のドバイターフとGIは2勝している。6ヶ月半ぶりの前走、府中牝馬Sは、スローな展開をよく伸びてきて2着と前哨戦としては合格点があげられた。ディープ産駒、本領発揮のときだ。

 5歳馬ではどうしてもGIのタイトルをと世界の名手ライアン・ムーアが手綱を取るルージュバックだ。ムーア騎手は、英国のスノーフェアリーでこのレースを連勝した事がある。それと5歳馬では、シャープさのもどってきた二冠馬ミッキークイーンも。3歳馬では、急激なギアチェンジができないので三冠は好走に終っていたリスグラシューのスタミナが魅力。そして、京都大賞典で牡馬を破ったスマートレイアーが、7歳でも調教で自己ベストをマークして元気だ。

 とにかく、ルメール対ムーアを本線に他馬に手を広げることにした。

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長岡一也

ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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