2017年11月11日(土) 12:00
◆“穴中の穴”はこの馬
今週はエリザベス女王杯。ここから年末まで、“休みなし”のG1シリーズが始まります。今年はホープフルSがG1に昇格して“8連発”となったわけですが、きっとまたアッという間に過ぎていくんでしょうね。さぁ果たしていくつ当てられることやら。
では恒例のデータ予想、と行きたいところですが、その前にジャパンCの話を。10日(金)に今年の外国招待馬が発表されました。もうみなさんご存知のとおり、今回はブームタイムというオーストラリアの馬が参戦します。03年のフィールズオブオマーを最後にオーストラリアからの参戦は途絶えていたので、実に14年ぶりのお目見えとなります。
同馬は、先月21日のコーフィールドC(芝2400m)で初重賞&初G1制覇を果たしたばかり。その勢いに乗っての参戦でしょうか? とはいえ、その時のタイムは2分27秒66(良馬場)。しかも52kgという軽量にも恵まれていました。通算成績も33戦7勝ですから、極々平凡です。でも、しばらく途絶えていたオーストラリアからの来日が復活したというのは、“内向き”になりっぱなしだったジャパンCの“流れ”に変化の兆しが出てきたと受け止めていいかもしれません。
もう1つ、アイルランドのエイダン・オブライエン調教師も管理馬を送り込んできました。アイダホという馬です。同きゅう舎からの参戦は04年のパワーズコート以来13年ぶり。こちらも、重賞勝ちは去年の英グレートヴォルティジュールS・G2と今年のハードウィックS・G2だけで、目を見張るような成績は残せていません。
とはいうものの、世界のトップトレーナーが管理馬を出走させるからには、ひとまず敬意を表しておきたいところ。これも、ジャパンCの将来へ向けて明るい材料になれば、と期待しています(じゃぁ、その2頭を買うのかと聞かれたら、すぐにハイとは言えませんけどね)。
では、エリザベス女王杯のデータ予想に行きましょう。某競馬雑誌には、デビューから2戦以内に初勝利を挙げた馬がよくて、芝2000m以上のレースで3着以内に来たことがない馬はほぼダメ。“初騎乗の馬”もまず好走は見込めない、前走が重賞以外のレースだったら勝っていること、とありました。
今回のメンバーを見ると、この4つの条件だけでかなり絞り込めちゃうんですね。残るのは、ミッキークイーン、マキシマムドパリ、ヴィブロスの3頭だけ。あとは、“初騎乗の馬”でも外国人ジョッキーに乗り替わる場合は例外になる可能性大ということで、クイーンズリングとルージュバックは残しておきましょう。
こうして見ると、絞り込んだ馬はだいたいが人気馬ですが、マキシマムドパリは大した人気にはならないと思います。このところ5年続けて、単勝6番人気以下の馬が必ず1頭は馬券対象になっているレース。“穴中の穴”はこの馬ですかねぇ。
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矢野吉彦
テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。
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