2017年11月18日(土) 12:00
◆年を重ねて、血統的背景が表に出るようになってきた
若駒の時点でその馬の距離適性を決めつけてしまうのは危険だ。共同通信杯、皐月賞と勝ち、ダービーが1番人気で2着と惜敗しているイスラボニータは、中長距離馬とみられても仕方なかった。それが年を重ねて馬体が成長するにつれ、フジキセキを父に持つ血統的背景が表に出るようになってきた。
マイルCSは今年で3度目の挑戦だが、過去3着と2着であと一歩のところまできている。これまでのマイル戦の成績は9戦2勝2着4回、連対率にすると66%を超えているのだ。2着が多いのが気になるが、安定感では他に劣るところはない。
この連対率に目を向けると、興味ある数字がみえてくる。過去のマイルCSの1、2着馬のそれまでのマイル戦の連対率が、だいたい50%を超えているのだ。特にこの3年はパーフェクトでそうなっている。
3年前の1着ダノンシャークは18戦9連対、2着フィエロが7戦5連対、2年前の1着モーリスは4戦3連対で2着フィエロが11戦6連対、昨年1着のミッキーアイルは9戦6連対で2着イスラボニータ5戦3連対となっている。
もちろん、連対率50%はひとつの基準として捉えなければならない。マイルのキャリアが全くなかったトーセンラーが4年前に勝っているし、マイルのキャリアが浅い馬が上位に来て波乱を呼んだこともあった。だが、この考え方は、チャンピオンマイラーなら当てはめていいと思う。
今年の出走馬でこの基準をクリアしているのは、イスラボニータの9戦6連対、ウインガニオン11戦6連対、エアスピネル8戦6連対、サトノアラジン10戦5連対、ペルシアンナイト4戦2連対と5頭しかいない。果してこの中から勝者が誕生するかどうか。この中ではペルシアンナイトが3歳馬、これまでのマイルCSでは苦戦が続いている。
さらに考えを広げるなら、この秋に競走馬として完成の域に到達する4歳馬だが、今年は上記以外ではいないので、あとは、桜花賞馬とスプリンターズS勝ち馬のタイトル獲得馬に可能性を見い出すことになるか。どうなるか楽しみだ。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。
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