一分の隙もない会心の騎乗/ジャパンC

2017年11月27日(月) 18:00


◆秋2戦しただけのシュヴァルグランはまだまだ活力十分

 チャンピオン=キタサンブラック(父ブラックタイド)が、外連(けれん)なしのペースで主導権を主張したことにより「前半1分12秒3-後半1分11秒4」=2分23秒7。ジャパンCにふさわしい中身の濃いレースが展開された。

 完成されたキタサンブラック(武豊)の作った流れは、昨年、楽に逃げ切った緩い流れ「1分14秒2-1分11秒6」=2分25秒8より、前半1200m通過が「1秒9」も速かった。それでも今回のキタサンブラック自身の後半1200mは「1分11秒6」なので、自身の後半1200mは昨年とぴったり同じ時計である。

 ハロンごとのラップは微妙に異なり、最初の1ハロンを別にして、昨年は「12秒5」以上の少し楽な部分が計3回もあったが、今年はもっとも遅い部分でも「12秒3」である。キタサンブラックは昨年とは格段のパワーアップを示したと同時に、最初から厳しい2400mを演出して、自身の最高タイムを「1秒6」も更新している。

 ペースを作った馬が、ほとんど乱れのないラップを刻んで東京2400mを「2分23秒9」で乗り切ってしまうと、力量ワンランク下の馬はまず敵わない。今回だと、結果3着にとどまったキタサンブラックから「4馬身」も離されたグループは、ここではどうやってもキタサンブラックに敵わなかった13頭となる。

 だが、キタサンブラックと、こと2400m級なら互角の能力を秘める馬にとっては、今回のキタサンブラックほど・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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