2018年01月06日(土) 12:00
◆扱うものも見る側も、大きな度量がもとめられる
どう育てていくか。競走馬としてスタートしたばかりの若駒たちに人間の欲を押しつけては育つものも育たない。年明けの3歳戦には、実際に扱うものも見る側も、大きな度量がもとめられる。馬に負担をかけることなく、ひとつひとつ戦いながらも走ることが楽しいことと感じてもらえるようになれば、持っている能力を十分に発揮できる。そこまでいけるかどうか、今は将来を決める大切な時期でもある。
3歳牝馬のフェアリーステークスは、2009年から年明けに移り、クイーンCとともに桜花賞のトライアルに向けたクラシック路線上のレースになったが、1月のこの時期にその力関係を判定するのは難しい。この5年間の1〜3着馬を見てみると、1番人気で勝ったのは2014年のオメガハートロックだけ。11月に東京の新馬戦1600米を勝って十分に間隔を取り、ここが2戦目だった。
昨年1番人気で2着に入ったアエロリットも、2戦して3ヶ月のリフレッシュ放牧明けで出走していたことを考えると、無理のないローテーションがどれほど重要かが分かる。とにかく、全般に、成長を促す意味も含めてひと息入れた馬が上位に来ている。
それとはっきりしているのが、遠征してくる関西馬が苦戦していることだ。13年のイリュミナンスが1番人気で4着、16年のリセエンヌがやはり1番人気で7着と敗れており、この5年で唯一上位に来た15年2着のローデッドは、前走中京の2千米を3戦目で初勝利したばかりで8番人気だった。タフなレースを経験した強味があったということか。いずれにせよ、若駒にとっての長距離輸送は楽ではない。
フェアリーステークスの特徴としてもうひとつ言えるのが、毎年、10番人気以下の馬が必ず上位に来ていることだ。そしてその多くが、東京の1600米ないし1800米で好走していた。キャリアがものを言うこともあれば、ゆとりあるローテーションで臨んでいいこともあり、とにかく難解だ。2戦目ではレッドベルローズ、東京のマイルを勝ってひと息入れたプリモシーンとテトラドラクマ、牡馬相手にもまれてきたグランドピルエット、好枠のライレローズなどでどうだろうか。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。
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