2018年01月20日(土) 12:00
◆3角をすぎてから対応できるかがカギ
前に行けてスタミナのある馬、切れよりパワーがもとめられる中山の芝外回り2200米、ペースはだいたい1000米通過が60秒前後でそんなに速くはならない。スタートして間もなく4角からスタンド前へ、上り坂をゆったり進んで1角を右にカーブして2角へ。そこから外回りコースに入って向正面へ。このコースの形状だと前半のペースが上がらないのは分かる。それより、その後の3角をすぎてからの局面を意識するからスパートするのが早くなるので、ここで動けないものは苦戦を強いられる。
この5年で先手を取って勝った2015年のクリールカイザーは、一番人気のゴールドシップをどうしたら負かせるかと考えた末、田辺騎手が1000米63秒0に落として3分3厘からペースを上げ、34秒6で3ハロンを上がり、見事な運びで勝利していた。ゴールドシップはこのスローな流れで気の悪さを出して7着に大敗していたが、ここまでペースを落とせたから逃げ馬が勝てたので、だいたいは各馬が早めに動いていくから先頭にいるものは苦戦する。
昨年の1着馬タンタアレグリアは、前年春の天皇賞4着以来9ヶ月ぶりの実戦で7番人気だったが、放牧中の捻挫で復帰が遅れていたので止むを得なかった。だが、阪神大賞典2着の実績があり、レースでは蛯名騎手が、後方からじわじわと追い上げ、4角で3番手で内をついて出てきていた。巧く開いてくれた好運もあったが、AJC杯の勝者の条件、GII以上のレースでの連対実績をクリアしていて、これは4番人気で勝ったクリールカイザーにもあてはまる。
その他2016年の勝ち馬ディサイファの武豊騎手は、スタートがよく思った所につけられたと6番手から動いていたし、14年のヴェルデグリーンの田辺騎手は、好スタートから勝ちに行く競馬をして馬がよく反応してくれたと述べていた。13年のダノンバラードも騎乗していたベリー騎手は、徐々に脚を使うタイプと調教師から聞いていて、先団につけて巧く脚を使っていた。今年のメンバーで勝者の条件を満たしているのは、ミッキースワロー、ゴールドアクター、ディサイファの3頭だが、高齢馬もいるので、それ以外の4歳馬を取り上げてみたい。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。
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