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“人と馬の共生”を題材にした映画制作『今日もどこかで馬は生まれる』(1)

2018年04月10日(火) 18:00

第二のストーリー

▲クラウドファンディングによって、引退馬を題材とした映画が制作されることに


きっかけはひとつのネットニュース


「今日もどこかで馬は生まれる」…ある時期からフェイスブックやツイッター上で、このタイトルが目に留まるようになった。調べてみると引退した競走馬たちについてのドキュメンタリー映画で「今日もどこかで馬は生まれる」は、映画のタイトルだと判明した。さらにクラウドファンディングで映画制作資金を募っていることもわかった。

https://camp-fire.jp/projects/view/68984(クラウドファンディングはこちら)

 クラウドファンディングのサイト上には、パイロットムービーがあった。競馬場の緑のターフをバックに浮かび上がる「現代の日本においては、年間で約7000頭のサラブレッドがこの世に生を受ける。しかし、その99%が天寿を全うする事なく、その生涯を終える」という白い文字が胸に迫ってきた。この数行の中に、馬が置かれている状況がすべて凝縮されていた。ムービーの中では認定NPO法人の代表理事の沼田恭子さんや、岩手県八幡平の温泉地熱を活用して馬糞堆肥づくりとその堆肥を使った農作物栽培を行っているジオファーム八幡平の船橋慶延さんが、引退した競走馬たちやそれらの馬たちと向き合っている現状、この映画への期待のほどを語っている。

 映像のところどころに挿入されるセンテンスが、長年馬たちに対して募らせてきた自らの思いと呼応した。例えばこの一文。

「競馬があるから多くの馬が生まれ、多くの馬が命を落としている。しかし、競馬があるから私たちは馬に対して興味や愛情を持つ事ができたのではないか」

 競馬によって馬の素晴らしさに触れ、馬から離れられなくなり、競馬ライターとして仕事をしてきた。その一方で競馬さえなければ、おびただしい数の馬たちの命が失われなくて済むという罪悪感にもさいなまれてきた。だが競馬がなかったら、馬たちに興味や愛情を持つこともできなかったのだと、このムービーによって、少し心が軽くなったのも事実だ。

 もしかするとこの映画は、私のように罪悪感を抱きつつ競馬や馬と接している人たちにとっても、精神的救いになるかもしれない。個人的にはそのような期待を持った。またJRAが・・・

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佐々木祥恵

北海道旭川市出身。少女マンガ「ロリィの青春」で乗馬に憧れ、テンポイント骨折のニュースを偶然目にして競馬の世界に引き込まれる。大学卒業後、流転の末に1998年優駿エッセイ賞で次席に入賞。これを機にライター業に転身。以来スポーツ紙、競馬雑誌、クラブ法人会報誌等で執筆。netkeiba.comでは、美浦トレセンニュース等を担当。念願叶って以前から関心があった引退馬の余生について、当コラムで連載中。

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