2018年04月14日(土) 12:00
◆今回はどの陣営に幸運が訪れるか
レースは、なかなか自分の都合に合ったようにはならない。だから、その不都合を乗り越えなければならなくなる。これまで経験したことのない状況に対処できるか、それが問われるのが皐月賞だとも言える。
3年前、弥生賞を勝って3戦3勝で1番人気だったサトノクラウンは6着に。長くいい脚で追い込むタイプで、中山の多頭数だと4コーナーの位置取りが少し後ろ過ぎになり、他馬に寄られる不利をはねかえせなかった。
2年前、きさらぎ賞を勝って3戦3勝の1番人気サトノダイヤモンドは3着。それまで楽な相手ばかりで勝ってきたせいで、ペースが速く息の入らない流れに苦戦していた。
そして去年、牝馬ながら前走のフラワーCを好タイムで勝って3戦3勝のファンディーナがそのスケールの大きい走りを評価されて1番人気だったが、4番手の内にいながらまわりにいる牡馬の圧力から逃れようと、4コーナー手前で外へ出して動きいったん先頭に立つという戦い方で7着に終わっていた。そのレースを勝ったのがアルアイン。前走の毎日杯で厳しい競馬を速い時計で勝ち切っていながら9番人気の低評価だった。しかも、鞍上が皐月賞初騎乗の松山弘平騎手だが、初めて手綱を取った毎日杯で自信を深めていて強気のレースでのぞみ、4番手の外でなだめて運び、正攻法に近い運びでJRAGI初制覇を遂げていた。
勝者には、それなりの納得できる勝因が必ずあるし、敗者にはきちんとした敗因がある。ただ言えることは、出走馬にはどれにもチャンスがあるということだ。どの陣営に幸運が訪れるか。今年の皐月賞初騎乗は、若葉Sを勝っているアイトーンの国分恭介騎手がいる。松山騎手と同期で、これに続くことができるか。3勝全てが逃げ切りで、本番も堂々と走ってほしい。
初ものと言えば、新種牡馬オルフェーヴル、ロードカナロア、ヘニーヒューズの産駒、エポカドーロ、ステルヴィオ、スリーヘリオスがいるし、ジャンダルムが勝てば、○外馬初の皐月賞制覇になる。特にジャンダルムは、○外馬が出走可能となった2002年以降12頭目で初の快挙となるのだが、スプリントGI2勝の母ビリーヴがアメリカに渡って送り出した同馬にチャンスがあるか。風雲急を告げる今年は見所が多すぎる。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。
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