2018年05月12日(土) 12:00
◆直近の成績よりも実績が重要
春シーズンきっての波乱レース、レース検討の醍醐味ここにありである。能力が優先される東京のマイル戦なのに、どうしてこうなるのか。この5年で連覇した2頭、ヴィルシーナとストレイトガールの4年間の前走を見ると、ちょっと心が動かされる。
2013年に勝ったときのヴィルシーナの前走は大阪杯の6着、2015年のストレイトガールの前走は高松宮記念の13着だった。それぞれヴィクトリアマイルでは1番人気と5番人気だった。どちらも牡馬と戦っていた点が共通している。
ところが連覇を達成した年の前走は、ヴィルシーナが阪神牝馬ステークスの11着で11番人気、ストレイトガールも前走が阪神牝馬ステークスでこちらは9着でヴィクトリアマイルは7番人気で勝っていた。実績のあるものは、直近のレースがどうであれ無視できないということになる。
ヴィクトリアマイルは2006年の創設、過去12回の勝ち馬のうち7頭の前走が牡馬相手の重賞であり、2着も3頭いた。これは重要なポイントのひとつと言える。
去年のアドマイヤリードは、この枠には入らず、条件戦を連勝して前走の阪神牝馬ステークスが2着と、4歳馬らしい成長を見せていた。4歳馬の成績がいいのがこのレースの特徴でもあり、実績だけでなく、この点もポイントのひとつと言える。因みに、桜花賞2着馬はこの5年で6頭が出ているが、2勝2着1回と半分の3頭が連対していた。
ステップ別で一番目立っているのが、阪神牝馬ステークスだが、阪神の外回りの1600mはスピードにスタミナが求められる点、東京のマイル戦に通じるものがあるからだろう。だがその勝ち馬は、これまで11頭がヴィクトリアマイルに出走してきたが、勝ったのは2008年の4歳馬エイジアンウインズだけで、他は3着にも入っていない。エイジアンウインズは、準オープンを勝った勢いで前走を勝っていて、去年のアドマイヤリードに似ている。
これらを総合すると、ヴィクトリアマイルは実績があれば直近の成績は気にしなくていい、牡馬と戦ってきたものに注目する、4歳馬なら成長の感じられるものと、だいたいこんな点が見えてくる。どんなものか。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。
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