地方全国リーディングは、騎手・調教師とも世代交代か

2018年07月03日(火) 18:00


◆吉村智洋騎手は年間300勝も夢ではない!?

 関東地方では観測史上最速とかで7月を前にして梅雨明け(と見られる)宣言が出され、馬たちにとっても例年より2週間ほど早く酷暑に耐えなければならない季節となった。また6月30日の水沢競馬場では、途中まで晴れていたのが一転、ゲリラ豪雨に見舞われ、あっという間にコースは水浸し。第7レース以降が取り止めになるという出来事があった。現在は九州地方に台風が接近し、夏の時期はそうした天候にも悩まされることになりそうだ。

 文字通り“熱い(暑い)戦い”となるわけだが、1年の半分が過ぎて地方競馬のリーディング争いも熱い戦いとなっていて、騎手も調教師も今年は昨年までと様相がちょっと違うものとなっている(以下、今年のランキングは6月30日現在、地方競馬のみの数字で示す)。

 まずは騎手。勝利数の全国リーディングに立っているのは、6月末現在で147勝を挙げている兵庫の吉村智洋騎手。2013、14年は年間100勝前後だったのが、2015年148勝、2016年181勝と急激に数字を伸ばし、昨年はついに200勝の大台を突破する202勝を挙げて兵庫リーディング3位、全国でも9位まで躍進。その昨年は全国リーディングとなった同じ兵庫の下原理騎手とは71勝もの差があったのが、今年は一気に逆転している。このペースなら年間300勝にも届くかもしれない。

 目下のところ2位が船橋の森泰斗騎手で135勝。怪我による休養があっての数字で、南関東は開催日数が多いだけに逆転の可能性もおおいにありそう。

 賞金では森泰斗騎手が4億2772万3500円、矢野貴之騎手(大井)が4億2235万3000円と拮抗。ここまで重賞タイトルが、森騎手は金盃(大井)の1勝のみなのに対して、矢野騎手は高額の東京ダービーをはじめ南関東で5勝を挙げている。

 勝率では昨年まで5年連続で1位の山口勲騎手(佐賀)が31.6%で今年もダントツ。高知の宮川実騎手が26.8%で続いている。

 調教師も、勝利数の全国リーディングトップは新顔で、ここまで104勝を挙げている高知の打越勇児調教師。厩舎開業は2012年で、その初年度には4月からの9カ月間でいきなり72勝を挙げ、以降、110勝、102勝、129勝、146勝と年間100勝以上を続け、昨年は160勝で全国4位まで躍進していた。

 打越調教師に好調の要因をうかがうと、「馬主さんがいい馬を入れてくれるし、実(所属の宮川実騎手)や厩務員さんががんばっている。でも、雑賀先生や角田先生も強力ですから」とのこと。ちなみにその宮川実騎手だが、年間の過去最高勝利数が2008年の140勝で、今年はここまで半年ですでに90勝と自身過去最高のペース。そして打越勇児厩舎&宮川実騎手の組み合わせでは、半年で72勝という強力タッグとなっている。

 打越調教師の話にも出てきたとおり、2011年以降、調教師の地方全国リーディング(勝利数)は、雑賀正光調教師(高知)、角田輝也調教師(愛知)のどちらかが1位となっていて、今年もここまで雑賀調教師が90勝が2位、角田調教師が78勝で3位と続いている。両者とも、ときに固め勝ちすることがあるだけに逆転の可能性もあるが、この2人の牙城を45歳の打越調教師が崩すことになるのか注目だ。

 賞金では、昨年自身初の年間6億円超を達成した浦和の小久保智調教師が今年もダントツで、ここまで2億7817万7000円と順調に賞金を積み上げている。2位の矢野義幸調教師(船橋・1億8776万9000円)、3位の佐藤賢二調教師(船橋・1億6392万9000円)はやや離れているが、ともにダートグレードでも勝負になるかもしれない素質馬がいるだけに、その活躍次第では小久保調教師を脅かすこともあるかもしれない。

 勝率では、2008年から昨年までに6度、全国1位となっている川西毅調教師(愛知)が今年も30.2%で目下のところトップ。しかしながら、森澤友貴調教師(兵庫・29.8%)、田中淳司調教師(北海道・29.5%)、打越勇児調教師(高知・27.7%)、飯田良弘調教師(兵庫・27.7%)などが続いて、勝率は熾烈な争いとなっている。

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斎藤修

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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