2018年08月18日(土) 12:00
◆日本人騎手には思い切ったレースを見せてほしい
秋に向けての展望はみんなそれぞれ違っているだけに、ここに出走してくる馬たちの顔ぶれは多彩だ。そこが札幌記念の面白いところだが、今年は外国人騎手が焦点になる。
最初に勝った外国人騎手はルメール騎手で、当時5歳のネオリアリズムだった。その一年前、札幌の条件戦で2度騎乗し連勝していて、その後の5戦は別の騎手が乗っていたのだが、函館記念6着してのぞんだ2016年の札幌記念は3度目の騎乗で、5番人気と評価は高くなかった。
しかしここでルメール騎手の真骨頂を見ることになったのだ。どんなレースでも馬の走りやすいように馬の力を十分に発揮させる技術を見せつけていたが、行きたがる馬をどう抑えるかの技には、いつも感服させられていた。
ところが、このときのネオリアリズムは逃げ切りだった。レース後「掛かるところのある馬だけど、今日は逃げる馬がいないことは分かっていたから、逃げてリラックスして走らせればとトライした。ポテンシャルの高さは知っていたから」と語っていたのだ。このとき2馬身差で破ったのが、マイルのGI4連勝のモレイラ騎手騎乗のモーリスだったので、この勝利は印象深い。
それまで後ろから行っていたにもかかわらず、スッと先行して折り合いをつけ、そのまま押し切ってしまうレースをどれだけ見せられてきたことか。
そのルメール騎手が、一昨年のダービー馬復活を託された。レイデオロでダービージョッキーになったからこその意気込みがある筈。ヨーロッパ遠征後の不本意な状況から抜け出せるか、その技に注目したい。
そして札幌記念優勝から2年たったネオリアリズムには、モレイラ騎手が乗る。昨年春に香港のクイーンエリザベスII世Cを勝たせた実績があり、どう御すか。興味が尽きない。このネオリアリズムは、昨年デムーロ騎手で中山記念を勝っており、外国人騎手との縁が深い。
そのデムーロ騎手は、エリザベス女王杯馬モズカッチャンに乗る。レースで注文のつかないモズカッチャンだから、自在な運びをするデムーロ騎手の動きにも注目したい。ハープスター以来の牝馬の勝利がかかっている。
有力馬に乗る外国人騎手の腕くらべという見所と、これをどう日本人騎手たちが攪乱するか。思い切ったレースを見せてほしい。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。
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