2018年09月20日(木) 18:01
▲C.ルメール騎手のエスコートで5番人気カンタービレが秋初戦を勝利で飾る(C)netkeiba.com
オークス上位馬が揃って不在となった今年のローズSは、早め先頭で押し切ったカンタービレが優勝。13着と大敗したオークスからの巻き返しに成功し、秋華賞の優先出走権を獲得しました。これに加え、鞍上のC.ルメール騎手は9月8日の紫苑S、9日の京成杯AHに続き重賞3連勝! 哲三氏も「固定概念がない」と評するほどの“対応力”を分析するとともに、後続のサラキア、ラテュロスに騎乗した池添騎手、秋山騎手の好判断も振り返ります。(構成:赤見千尋)
今週はローズSの上位3騎手の騎乗を振り返りたいと思います。まずは勝ったクリストフ(ルメール騎手)。5番人気だったカンタービレに騎乗して、早め早めの競馬で押し切りました。向正面で動いて行き、さらに4コーナーでも早めに動くという積極的なレース運びで、場合によっては早仕掛けになりかねない形ですが、そこはさすがクリストフ。最後までしっかりと持たせました。
なぜクリストフだと最後まで持つのか、という技術面については先週お話したのでここでは省きますが、改めてすごいなと感じたのはその対応力。早め早めに動いた、というよりも、動きたいところで動いた、という判断だったと思います。
日本の競馬では、『道中は動かず、4コーナーまで我慢する』というのが基本とされてきました。時には基本を覆した方が結果に繋がることもあるけれど、“早めに動いて結果を出すことは難しい”という固定概念があるわけです。
クリストフにも競馬の中で基本となる土台はあると思いますが、その基本に捉われすぎず、その場その場に合わせて臨機応変に対応できる。クリストフの辞書には「固定概念」という言葉はないのではないか、と感じるほどです。
今回のレースでは、馬の状態が絶好調で早めに行っても押し切れる自信があったのか、それとも後ろにいる馬のキレ味を考慮して早めに動いた方が勝算が高いと判断したのかはわかりませんが、結果的には強い勝ち方になりました。
■9月16日 ローズS(13番:カンタービレ)
競走馬にとって、勝つことはとても大事なことです。それが大きな舞台であればなおさらで、現役中はもちろん、引退後にも影響してきます。僕は、1つでも上の着順を取ってその馬のステータスを上げてあげることも、愛馬精神の一つの表現方法だと思っています。
しっかりと結果を出せるジョッキーというのは、・・・
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佐藤哲三
1970年9月17日生まれ。1989年に騎手デビューを果たし、以降はJRA・地方問わずに活躍。2014年に引退し、競馬解説者に転身。通算勝利数は954勝、うちGI勝利は11勝(ともに地方含む)。
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