2018年09月22日(土) 12:00
◆必ずしもダービー馬のその後の道のりは平坦ではない
以前から感じていたことだが、ダービー馬が健在であるかは、競馬の環境に少なからず影響しているように思う。ダービーからダービーへと競馬のサイクルを言いあらわすように、見る側の気持ちの中にも、これはあり、時折、ダービー馬を中心にその時々の競馬を語っている。
年明けの重賞にダービー馬が勝つと、その瞬間、競馬が華やいだように感じてみえるし、次への期待も間違いなく膨らんでいく。しかし、必ずしもダービー馬のその後の道のりは平坦ではない。
現在、3世代のダービー馬、マカヒキ、レイデオロ、ワグネリアンが現役でいる。これだけ無事に走っていること自体、そんなにあることではないが、マカヒキもレイデオロもダービーを勝ってからは思い通り来ているとは言えない。
マカヒキのダービー後は、凱旋門賞を目標におき、秋初戦のニエル賞は勝てたが、勝ったのはこの一戦のみ。昨年は5戦して秋の天皇賞5着、ジャパンカップ4着で終えていた。その後骨折による9ヵ月のブランクがあり、今夏の札幌記念で復活して2着、秋のGIシリーズに備えている。
昨年のダービー馬レイデオロは、秋は神戸新聞杯の勝利の後、ジャパンカップから年明けは京都記念、シーマクラシックと戦って、いずれも敗戦が続いている。今ひとつ、ダービー馬としての輝きを見せていなかった。オールカマーで復活の第一歩を踏み出せるか。6ヵ月のリフレッシュ期間で、きっと甦ると確信したいのだが。
この2年のダービー馬をみると、いずれも秋の初戦だけは勝っていた。なのに、それからが満足できるものではない。こう見てくると、神戸新聞杯の今年のダービー馬ワグネリアンは、取りあえずここは大丈夫ということになるのだが。
春、これに肉迫したエポカドーロは、皐月賞では勝っているのだから、このディープインパクト、オルフェーヴル新旧三冠馬の産駒の名勝負に期待ということになるのではないか。
オールカマーも神戸新聞杯も、どっちを見てもダービー馬が中心にいる。ここも大切だが、むしろ戦いはこのあとが本番だから、ダービー馬たちの動向には、目が離せない。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。
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