2005年08月10日(水) 12:25
種牡馬の世界は、ポスト・サンデーサイレンスの動きが激しくなっています。ここ10年はスーパーサイアーの影響を受けて、年々種牡馬デビューする馬の数が減少しています。これに、ダンスインザダーク、スペシャルウィークなどSS二世の活躍が加わり、この流れは止まりそうにありません。
そうした中、2004年のファースト・クロップサイアーランキング第一位に輝いたフレンチデピュティの産駒の活躍が、1994年のサンデーサイレンスに次ぐ成績を残し注目されました。世を去ったSSの影響が少なくなった証拠であり、それだけ、新しい風が強く吹いているということです。
死亡などにより種牡馬の世界から去っていったものを見ると、ひとつの時代が完全に終わっていることを知ります。
ミスタープロスペクターを父に、母父がニジンスキーというメジャーな配合で日本の馬産界でも目立つ活躍をしたジェイドロバリーが世を去ったのが昨年の5月。強い気性と抜群のスピードでマイラータイプが多かった産駒の中では、ヤマカツスズランがその代表的な存在でした。タイキシャーロックやオースミジェットのようにダートで活躍した産駒も多く、コンスタントに成績を残した種牡馬でした。これと、ノーザンダンサー系で芝向きの晩成型ステイヤーを出したダンスホールも昨年9月に世を去っており、この2頭とも、日本人が海外で所有して競走馬として走ってから、種牡馬として日本に入ってきたという共通点がありました。
一時期、日本にいい血を入れようと努力されたホースマンの足跡を辿るようなジェイドロバリーとダンスホールでしたが、こうした生産界の事情も少しずつ変化しており、国内で活躍して種牡馬入りしたものの存在が大きくなっています。それだけ、日本の競馬のレベルが高くなったということで、これからは、輸入から輸出の時代になるのではと期待しています。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。