自然な積極策で「最優秀ダートホース」のタイトルは確定的/チャンピオンズC

2018年12月03日(月) 18:00

世代交代が早まる風潮はこれから強まるだろう

 C.ルメールと、M.デムーロがそろって「ダートのアーモンドアイだ!」と絶賛する3歳ルヴァンスレーヴ(父シンボリクリスエス)の圧勝だった。

 これで統一ダートGIを3勝して【7-1-0-0】。今週9日の香港カップデー、有馬記念、29日の東京大賞典…などを残してはいるが、少なくともアーモンドアイの「最優秀3歳牝馬」、ルヴァンスレーヴの「最優秀ダートホース」のタイトルは確定的となった。

 中京ダート1800mのチャンピオンズCはここまで5回。すべて良馬場で行われ、流れは年によって異なるのに、もう16年から3年連続して「1分50秒1」の決着となった(2015年も1分50秒4)。

 前半1000mの通過は16年が「60秒6」。今年はスローで「61秒9」。大きく1秒3も異なるペースなのに、勝ち時計はぴったり同じ1分50秒1。レース上がりは16年から順に「37秒7、36秒2、35秒9」である。ダートの質が変化しなければ、ペースにかかわらず、来年以降もだいたいこういうタイムで決着するレースになるのだろう。

 ルヴァンスレーヴは、いつもは中団から早めにスパートするレース運びで、前回のこの馬の前半3ハロンは36秒3。今回は1800mに延びて、かつコーナーがあったとはいえ、推定37秒6。いつもと違って積極的に先行したのではなく、前半の超スローに自然と2番手追走になっていた。2コーナーを通過し向こう正面に入ったあたりで「確勝態勢」に持ち込めたのである。

重賞レース回顧

古馬を圧倒し、統一ダートGI・3勝目を飾ったルヴァンスレーヴ

 3歳馬の勝利は、JCダート時代を含めると、01年クロフネ、05年カネヒキリ、06年アロンダイトにつづき4頭目だった。ただし、これまでの3頭とは異なり、ダート路線の発展した現代のチャンピオン=ルヴァンスレーヴは、芝から出発したのではなく最初から「ダート」だった。実は今年だけでなく、2016年も、17年のダート路線でも、芝路線のジャパンCや、有馬記念と同じように3歳馬(もうあと1ヶ月で4歳馬)のトップは、4歳以上の古馬と互角に戦っていたという数字がある。

 たしかに現3歳世代のトップは素晴らしいが、・・・

続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

登録済みの方はこちらからログイン

バックナンバーを見る

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

関連情報

新着コラム

コラムを探す