2018年12月04日(火) 18:00
▲栗東で初めてウォーキングマシン設置に踏み切った小崎厩舎
夏競馬が終わった頃、栗東トレセンの厩舎の庭先に見慣れない物を発見しました。それは、ウォーキングマシン。
すでに美浦トレセンでは昨春新築された北の杜地区で設置している厩舎があります。そこはコの字型に厩舎が配置されているため、中央の広場にウォーキングマシンを設置できるスペースがあるのです。しかし、栗東は従来の長屋型の厩舎のため設置していませんでした。
そんな中、栗東で初めてウォーキングマシン設置に踏み切ったのは小崎憲厩舎。
「アイテムの1つとして活用できた方がいいと思いました。牧場とかでは今や当たり前のようにあるもんね」
北海道やトレセン近郊牧場の多くにはすでに何年も前からウォーキングマシンがあり、「最前線のトレセンにないのが不思議」という声を聞いたこともたしかにありました。
また、地方競馬場でもウォーキングマシンを設置しているところがあります。写真は門別の田中淳司厩舎にあるウォーキングマシン。
▲門別の田中淳司厩舎にあるウォーキングマシン
名古屋競馬の弥冨トレセンでもウォーキングマシンを利用している厩舎があります。そのうちの1人で、2年連続で勝率全国No.1に輝いている川西毅調教師はこう話します。
「7〜8年前だったかな、最初は松本克幸調教師(引退)とか角田輝也調教師や僕でした。今は6厩舎がウォーキングマシンを置いています。手間を省けるのと、人間が曳くよりも事故や怪我が少なくなると思います。小さい所でグルグル回るので、格段に能力が上がることはないでしょうが、特に全休日明けは馬が元気なのでウォーキングマシンなら怪我のリスクが減ります」
小崎調教師もこんなメリットがあるといいます。
「曳き馬だと、他の馬が暴れているのにつられて立ち上がってしまうこともありますが、ウォーキングマシンだと集中して歩けていますね。それに、いわゆる“バイタルウォーク”という速歩手前の常歩で運動させることもできます」
人とのコミュニケーションづくりなども必要な若い馬の場合は曳き馬の方がいいこともあるといいます。それぞれにメリットがあるということは、「歩く」ということに選択肢が増えました。
小崎厩舎に置いているのはスペースの都合から4頭用のコンパクトなタイプ。隣の厩舎との距離がどうしても近く、「矢作厩舎に迷惑をかけないように」と心配していたと言いますが、「モーター音が意外と静かで、動かしているのが分からないくらいなんです」とのこと。
これから栗東でもウォーキングマシンを設置する厩舎が増えていくかもしれませんね。
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大恵陽子
競馬リポーター。競馬番組のほか、UMAJOセミナー講師やイベントMCも務める。『優駿』『週刊競馬ブック』『Club JRA-Net CAFEブログ』などを執筆。小学5年生からJRAと地方競馬の二刀流。神戸市出身、ホームグラウンドは阪神・園田・栗東。特技は寝ることと馬名しりとり。
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