2018年12月10日(月) 18:00
▲オープニングセレモニーには、各国のトップジョッキーが集結!
ヴァーズ、スプリント、マイル、カップ、4つのG1をすべて地元香港馬が勝利。日本からは9頭が参戦するも、善戦むなしく3つのレースで2着と惜敗に終わった今年の香港国際競走を斎藤修さんが回顧します。(取材・文:斎藤修、写真:高橋正和)
地元香港にとっては画期的な年になったのではないか。なかなか勝てないと言われた香港ヴァーズを地元のエグザルタントが勝った。香港調教馬がヴァーズを制したのは1998年のインディジェナス(当時は国際G2)、2013年のドミナントに続いて3頭目。そして何より、4つの国際競走完全制覇は初めてのこと。
日本馬では2001年に、ステイゴールドがヴァーズを、エイシンプレストンがマイルを、そしてアグネスデジタルがカップを制しておおいに盛り上がったことがあったが、香港にとってひとつの転換点となったのが、その翌年、2002年のこと。それまでは外国からの遠征馬に対してほとんど太刀打ちできなかったのが、ヴァーズ以外の3競走で香港調教馬が勝利。香港の競馬関係者のたいへんな喜びようは今でも覚えている。
以来、香港調教馬はどんどん強くなって、2011,13,14,17年にも4戦のうち3戦を制している。それでどうなったかといえば、日本のジャパンCと同じように、近年では外国からの遠征が少なくなった。とはいえ1日に国際競走が4レース実施されることや、ヴァーズの2400mの路線ではまだまだ欧州勢が強いということもあり、『ジャパン・オータムインターナショナル』より国際色はある。
地元香港と日本の活躍は年を追うごとに顕著になっていて、今回の1〜5着馬の調教国を並べてみると以下のとおり(左が1着馬)。
ヴァーズ:香・日・愛・香・仏 スプリント:香・香・香・香・香 マイル:香・日・香・日・香 カップ:香・日・香・日・香
日本調教馬は計9頭が参戦し、勝利こそなかったものの3頭が2着、5着以内には5頭が入った。半数以上が掲示板というのは、遠征競馬ということを考えれば好成績といっていいだろう。マイルとカップで香港と日本が交互に並んでいるというのも、2国での寡占状態を顕著に示している。
対して香港・日本以外の国はといえば、英8頭、愛3頭、仏2頭、星(シンガポール)・豪各1頭の計15頭が出走し、前記のとおりヴァーズで3着と5着に入ったのみ。今の香港国際競走は、まさに香港と日本のお祭りだ。
ではレースごとにポイントとなったところを中心に振り返ってみよう。・・・
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