2018年12月10日(月) 18:00
今週12月16日の「朝日杯FS」に牝馬グランアレグリア(父ディープインパクト)が出走を予定している。もう半年も以前の対戦なので互いの成長度は異なるが、グランアレグリアは6月の牡馬相手の新馬戦で「阪神JF」を勝ったダノンファンタジー(父ディープインパクト)に完勝している。
したがって例年と違い、桜花賞路線の最大のベースとなる阪神JFが終了しても、まだ実況アナの叫んだ2歳女王決定とはならず、この世代の最初の(気の早い)勢力図やランキングはもう1週待たなければならない。しかし、そのグランアレグリアを別にしても、今年の阪神JFは好内容だった。
レース全体の流れは、近年の阪神1600mに多いバランスの取れたペースで「47秒1-47秒0」。それでいながら全体のタイム「1分34秒1」は十分に速いのだから、レースの中身に紛れの要素は少ない。実際、上位4着まではファンが「1,2,4,3」番人気に支持した馬だった。
新阪神になって13回目、1分34秒1は「5番目」に相当する速い時計だった。改修直後の1、2年はとくに時計が速く、また年によって馬場差はあるが、現在も基準タイムとして残る1分33秒1の最高時計で勝った2006年のウオッカは、翌年の日本ダービー馬となった。翌2007年、1分33秒8で勝ったトールポピーは翌年のオークス馬である(6着だったレジネッタが桜花賞馬)。
3番目に速い1分33秒9が記録された2013年の勝ち馬レッドリヴェールは桜花賞2着。ハナ差同タイム2着のハープスターは桜花賞を制し、オークス2着。4番目に相当する1分34秒0が記録された2016年の勝ち馬ソウルスターリングは、桜花賞は3着でもオークス馬となった。2着のリスグラシューは桜花賞を2着し、エリザベス女王杯を勝ち、先週9日の香港ヴァーズも勝ったに等しい微差2着である。
つまり、時計が速ければいいというものではないが、今年の1分34秒1より速い時計で決着した年の勝ち馬(小差好走馬)は、驚くほど例外なく、翌年のクラシックで快走しているのである。
今年の阪神JF上位組は、16日の朝日杯FSのグランアレグリアはとりあえず別にして、・・・
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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