【朝日杯FS】返し馬で勝負アリ! アドマイヤマーズの緊張をほぐしたミルコの心遣い

2018年12月20日(木) 18:01

哲三の眼

▲アドマイヤマーズが優勝、M.デムーロ騎手は4度目の朝日杯FS制覇 (c)netkeiba.com

朝日杯FSは大本命の牝馬・グランアレグリアを破り、2番人気のアドマイヤマーズが優勝。このレースから注目したのは、M.デムーロ騎手のエスコートと、チャンピオンズカップに続き、人気薄で2着に健闘した藤岡佑介騎手。ふたりが見せたゲートの話題をきっかけに、 “臨機応変な騎乗”の大切さを説きます。またミルコの返し馬を見た段階である直感が働いたという哲三氏。一体その直感とは?(構成:赤見千尋)

キャンターの1歩目に注目「細かい心遣いがゲートにも効いてくる」

 朝日杯FSは2番人気のアドマイヤマーズが好位からよく伸びて初GI制覇。2着は9番人気クリノガウディーが頑張りました。今回は枠を活かしつつ、シンプルさを出せたふたりが1,2着に来たという印象です。

 これまでの2歳戦、特に阪神だと後ろから差して来るという競馬が多かったのですが、以前から言っているように、世界のトップジョッキーの参戦により、強い馬が自分から動いて行く競馬が主流になっている。直線の伸び脚に賭けるという競馬ではなかなか勝ち切るのが難しい中で、メンバー構成、枠順を見て、自分自身でまず出来る限りの事をしていくと。

 その一つが、僕がいつも言っているスタートです。VTRを見てもらえばわかると思いますが、1,2着のふたりは抜群にスタートが速かった。この2頭だけではなく、結果的に上位に来た馬たちはみんな好位で競馬をしているんです。

■12月16日 朝日杯FS(6番:アドマイヤマーズ)

 だからといって、ただ単に前に行けばいいというものではない。状況にもよるので一概には言えないけれど、前に行く方がいいと判断した場合、スタートを決めることはとても大事で、ミルコも佑介も、そこからスピードに乗せて戦いやすい状況を自ら作ったんです。

 以前にもお話したと思いますが、なぜスタートダッシュがつくと戦いやすい状況になるのかというと・・・

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佐藤哲三

1970年9月17日生まれ。1989年に騎手デビューを果たし、以降はJRA・地方問わずに活躍。2014年に引退し、競馬解説者に転身。通算勝利数は954勝、うちGI勝利は11勝(ともに地方含む)。

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