大激戦のなか、58キロで抜け出した実力は本物/中山金杯

2019年01月07日(月) 18:00

積極性やしぶとさも感じられ、今年の躍進を約束する好内容

 めったに見られない大接戦だった。ハンデ戦にふさわしく、勝った5歳牡馬ウインブライト(父ステイゴールド)だけは半馬身抜け出したものの、2着ステイフーリッシュ(父ステイゴールド)から11着馬まで「クビ、ハナ、クビ、ハナ…」差の連続。わずか0秒2差(約1馬身)の間に10頭もがなだれ込む大激戦が展開された。

 直後に行われた京都金杯も同じで、4着アドマイヤアルバ(父ハーツクライ)から15着馬まで「クビ、ハナ、クビ、アタマ…」差の連続。12頭がわずか「0秒3差」の間に入線する大接戦。今年はこういう白熱のレースが多い年なのだろうか。

 混戦を切り抜けて勝ったウインブライトは、これでスプリングS、福島記念、中山記念に続く重賞4勝目。今回も冬場に向かって確実に調子を上げてきたとされていたが、ここまでの全快走(6勝、2着2回)は、すべて「11月〜3月」の5カ月間に集中することになった。全姉の同じ芦毛馬ウインファビラス(新潟2歳S2着)も、芦毛を伝える母サマーエタニティも、どちらかといえば夏型の成績を残す馬だけに不思議だが、こういう体質は必ずしも似ないのかもしれない。

 昨2018年の中山金杯は56キロでクビ差2着惜敗だったが、今年はトップハンデの58キロを課せられながら、自信満々に中団に控えて差し切り勝ち。デビューした2歳夏(16年)は450キロ前後のステイゴールド産駒らしいスマートな体型だった。しかし、しだいにパワフルな身体つきになり今回は490キロ。大接戦のなか、58キロで勝ったウインブライトの実力勝ちは明らかだった。

重賞レース回顧

0.2秒差に10頭が流れ込む大激戦となった中山金杯(撮影:下野雄規)

 東西の金杯3勝目。ウインブライトの全6勝を・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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