2019年01月13日(日) 18:00
今年の京成杯には、その直仔は1頭だけなのに、キングカメハメハの血を持つ馬が合計4頭もいる。
1カイザースクルーンは「父の父」がKカメハメハ 4マードレヴォイスは「母の父」がKカメハメハ 5ランフォザローゼスは「父」がKカメハメハ 9シークレットランは「母の父」がKカメハメハ
なおかつこの4頭は、時代をリードする社台グループの生産馬らしく、カイザースクルーンの母の父はステイゴールド。マードレヴォイスの父はサンデー直仔。ランフォザローゼスの母の父はディープインパクト。シークレットランの祖母はサンデー産駒。みんなサンデーの血が入っている。 知られるように、ディープインパクト(02)には、キングカメハメハの牝馬との組み合わせの活躍馬はまだごく少ない。相手は外国産の牝馬が多い。 一方、キングカメハメハ(00)産駒と、その後継馬ロードカナロア、ルーラーシップ産駒には、ディープインパクトなど「母の父」にサンデーサイレンス系の血を持つ馬が非常に多い。大ブレーク中の後継種牡馬ロードカナロアの代表産駒アーモンドアイも、サートゥルナーリアも、ファンタジストも、母の父はサンデーサイレンス系である。 ディープインパクトには、ほぼ似たような年齢のライバル=キングカメハメハの牝馬を交配してもまったく心配はないのだが、日本の生産界を牽引する『ディープ(サンデー)×キンカメ』の組み合わせが増えすぎては、傑出した1つの父系の「血の飽和」は防ぐことはできても、主力2頭の種牡馬の組み合わせの「血の飽和」は、10年、20年、もっと先にも影響する心配があるからだろう。 今年の京成杯は、勢いに乗るカメハメハの血を持つ馬の大攻勢か。たまたまの偶然だが、通算【7-0-1-0】のキングカメハメハの痛恨の1敗は、04年の京成杯3着だった。いまになると実に惜しい敗戦であり、京成杯を順当に勝っていれば、かつてのマルゼンスキー級のヒーローだったかもしれない。 キングカメハメハは京成杯を負けた。今年の4頭のように、どこかにカメハメハの血が流れる馬もまだ京成杯を勝っていない。今年こそである。そこでこの4頭には、みんなサンデーの血が入ってもいる。
これこそたまたまだが、今年の京成杯には日本の生産界をリードする「ダイナカール」の牝系も関係している。ともに3代母にダイナカールを持つ「ランフォザローゼスと、シークレットラン」。そろって凡走などないはずである。 ▽ダイナカール(80) エアグルーヴ(93) | ルーラーシップ(07) | ラストグルーヴ(10) | ランフォザローゼス(16) エルフィンフェザー(95) カールファターレ(07) シークレットラン(16)
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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