2019年01月18日(金) 18:00
古馬1600万条件のレースはほぼ毎日(開催日)のように組まれているが、それはダート戦や、さまざまな距離を合わせてのことで、例えばこの初富士Sの「芝1800m」に限定すると、中央場所でも1開催に存在しても1鞍しか組まれていない。京都も、次の東京も同じ。
芝の中距離1600-2000m級ならどの距離でも快走できるような能力を秘めた馬なら、体調に合わせたローテーションを組める。そういう馬は長く1600万下にはとどまらないだろう。ただし、1800mこそベストとなると、今開催なら「初富士S」。2月の東京なら、2月10日の「初音S」戦にマトを絞るしかない。残念ながら、初音Sは牝馬限定戦である。
当然、人気の中心ではあるが、5歳牡馬レッドローゼス(父ステイゴールド)は、右回り、左回りにはこだわらないが、理想の距離は【2-3-1-0】の良績を残すこの芝1800m。ここに目標を定める形で乗り込んできた。
前回の東京(もちろん芝1800m)では、R.ムーアを配し、今回もあえてテン乗りのO.マーフィーに騎乗依頼し、このクラスを脱出してオープン昇格を目ざしている。
ここまで18戦して【4-6-5-3】。着外は、4着、6着(不良)、6着(稍重)の3回だけ。現オープン級の力量馬と対戦しても、芝の良馬場では最大で「0秒4」しか負けたことがなく、トップクラスと微差の惜敗も再三ある。
遅咲きであることが珍しくないステイゴールド産駒で、母の父ガリレオ。祖母の父ナシュワン。牝系ファミリーにはシャンハイ、ヘクタープロテクター、ボスラシャム、ラムタラ…などが並ぶ名門ファミリー出身。イブキパーシヴも同じ一族。
そろそろ大きな期待に応えてオープンに出世し、ビッグレース挑戦のチャンスをつかみたい。今回の動きは文句なし。ここはチャンス大だろう。枠順に左右される馬ではないが、最終週でもあり、あまり内を引かなくてかえって良かった。マーフィーの1コーナーまでに理想の位置におさまってしまう技術とレースセンスには卓越したものがある。
絶好調=田辺騎手のアウトライアーズ、アッフィラート、4歳の上がり馬アシュリンが強敵だが、入念に乗って好仕上がりのアーバンキッドは約1年ぶりでも軽視できない。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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