2019年02月23日(土) 12:00
馬事文化賞受賞から1カ月。ありがたいことに、いくつか“お祝いの会”を催していただいたり、グリーンチャンネルの某番組から出演依頼を受けたり(どの番組かは後日お知らせします!)と、ウレシイ“余波”がまだ続いています。
さてさて、こういうことを書くと地方にお住まいの方から総スカンを食らってしまうかもしれませんが、この私、つくづく東京に住んでいてよかったなぁ、と思っています。
「競馬と鉄道」はもちろん、週刊競馬ブックの記事などを書くにあたっては、永田町にある国会図書館や、広尾の都立中央図書館を頻繁に利用して調べ事をしました。それは今も続けています。この2つの図書館はとにかく所蔵資料が充実。新聞のマイクロフィルムや貴重な文献などを、わりと手軽に閲覧できますからね。
また、JRAの図書室や国土地理院の関東測量部測量成果閲覧室も都内にあるので、私にとしては大助かり。こちらもことあるごとに足を運んで資料を入手しています。
それだけではありません。国内外の競馬場巡りをするにしても、東京からならとても効率的に移動することができます。“近所”にある競馬場も、東京、中山、大井、川崎、船橋、浦和(以前はこれらに加え、宇都宮、足利、高崎もありましたが)とバラエティ豊富。世界的に見ても有数の大都市ですから当たり前ではあるのですが、とにかく東京は極めて便利なところです。
もし私が地方、それも東京から遠く離れたところに住んでいたら、今までやってきたような仕事や執筆活動ができていたかどうか。いや、絶対にできなかったでしょうね。
東京のような大都会の中で喧噪に揉まれるのではなく、自然に囲まれた中で心豊かに過ごす、という生き方もあるとは思います。でも、私のような仕事をしている人間にとって、東京は最も使い勝手のいい都市です。空気が悪かろうと生活費がかかろうと、今のところ東京を離れるわけにはいきません。
なんて考えてみると、私は、東京に住んでいてよかった、というより、東京に住める人になれてよかった、と言ったほうがいいかも。私が生まれたときに両親が住んでいたのは埼玉県の草加市ですが、幼稚園に入園する前から都内に住むようになりました。その後入学した小学校も中学校も高校も大学もすべて都内。なので、プロフィールには「東京都出身」と書くようにしています(もし生まれたところが出身地なら経歴詐称。選挙に出たら叩かれるはずですけど、出ないから大丈夫でしょ?)。
つまり私は、東京に住んでいたからこそ、こういうふうになったわけです。東京が“育ての親”になってくれた、と言ってもいいでしょう。これからもお世話になることが多々あると思います。“東京さん”、どうかよろしくお願いしますね!
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矢野吉彦
テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。
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