弥生賞は“中山実績”がアテにならない

2019年03月02日(土) 20:00

 前回2月24日のWIN5は史上最高記録となる4億7180万9030円の高額配当決着。1票だけあった的中票の持ち主が、日本全国の競馬ファンから集まったお金を総取りする形となりました。対象5レースのうち3レースで単勝二桁人気の馬が優勝するという波乱の展開でしたし、私も5レース目を終えた時点で「たぶん的中なしだろうな。キャリーオーバーの来週は頑張ろう」と思っていたくらいですから、これはもうお見事と言うほかありません。

 ただ、当てた方にとってこの金額が十分なものだったかどうかは微妙なところ。単勝支持率通りに残り票数が減っていき、なおかつ払戻金の制限(最大6億円)もなかったと仮定した場合の配当理論値は、約6億9千万円です。ちなみに、同じく的中1票だった2015年9月13日は、配当理論値が15億円を超えていたのに対し、実際の払戻金は3億9566万3730円どまりでした。

 払戻金の制限や発売金額の少なさという外的要因により、受け取ることのできる金額が億単位で変わってきてしまうわけですから、投機的に超高額配当を狙うような作戦は考えもの。無理のない投資金額に見合った配当を狙うという割り切りも必要だと思います。

 明日3月3日のWIN5は総出走頭数が66頭、総組み合わせ数が37万8000通り(土曜16時現在)。前回の結果を受け、発売金額にはどんな変化が起きるのでしょうか。

◆総武Sはオープンクラスで善戦してきた馬が中心

 1レース目は4歳以上1600万下、ハンデキャップ競走の武庫川S(阪神10R)。4歳のライラックカラー、ラセットあたりに支持が集まりそうです。

 2レース目は4歳以上オープンの総武S(中山10R)。実績上位のハイランドピークに加え、昇級初戦のリアンヴェリテ、ゴールデンブレイヴあたりが人気を集める可能性もあります。

 3レース目は4歳以上1000万下の太宰府特別(小倉11R)。比較の難しいメンバー構成で、上位人気勢の支持はやや割れるかもしれません。

 4レース目は4歳以上オープン、ハンデキャップ競走の大阪城S(阪神11R)。昨年の優勝馬でもあるトリコロールブルーが注目を集めるでしょう。

 5レース目は3歳GIIの弥生賞(中山11R)。土曜16時の時点ではラストドラフトに支持が集中しており、ニシノデイジーが続いていました。

[伊吹式WIN5ランキング 2019年03月03日版]

1位 阪神11R 4.トリコロールブルー
2位 中山11R 2.ニシノデイジー
3位 阪神10R 8.キロハナ
4位 中山10R 5.ハイランドピーク
5位 小倉11R 1.マルーンエンブレム
【以上すべての馬を買うと1点買い】

6位 小倉11R 2.アンネリース
7位 小倉11R 10.ブライトムーン
8位 中山10R 9.クラシックメタル
9位 阪神10R 11.ラセット
【以上すべての馬を買うと12点買い】

10位 中山11R 8.ブレイキングドーン
11位 阪神11R 11.ショウナンバッハ
12位 小倉11R 5.リュヌルージュ
13位 中山10R 14.ハーベストムーン
14位 阪神10R 7.ライラックカラー
【以上すべての馬を買うと144点買い】

15位 中山11R 1.ラストドラフト
16位 阪神11R 6.ナイトオブナイツ
17位 小倉11R 11.カレンシリエージョ
18位 小倉11R 7.バケットリスト
19位 中山10R 8.ゴールデンブレイヴ
20位 中山10R 1.リアンヴェリテ
21位 中山10R 4.プロトコル
22位 阪神10R 12.イストワールファム
【以上すべての馬を買うと1296点買い】

23位 阪神10R 9.インビジブルレイズ
24位 中山11R 5.シュヴァルツリーゼ
25位 阪神11R 10.ボールライトニング
26位 阪神11R 15.クリノヤマトノオー
【以上すべての馬を買うと3600点買い】

 5レース目の弥生賞(中山11R)は臨戦過程に注目したい一戦。「前走との間隔が中4週以内だった馬」は2014年以降[0-1-1-22]、「前走の条件が“JRA、かつGI以外のレース”、かつ前走の上がり3ハロンタイム順位が4位以下だった馬」は2014年以降[0-0-0-24]と、それぞれ苦戦しています。なお「“JRA、かつ中山以外、かつオープンクラスのレース”において連対経験のない馬」は2014年以降[0-1-1-37]。基本的に実績馬が強いレースではあるものの、中山の重賞やオープン特別でしか連対を果たしていない馬は信頼できません。今年のメンバー構成なら、ニシノデイジーとブレイキングドーンを重視したいところです。

 2レース目の総武S(中山10R)は実績馬を高く評価した方が良さそう。「“前年以降、かつJRA、かつダ、かつオープンクラスのレース”において4着以内となった経験のない馬」は2015年以降[1-0-1-25]と安定感を欠いていました。ただし「前走の着順が9着以下だった馬」は2015年以降[0-0-0-19]なので、大敗直後の馬は過信禁物。クラシックメタル、ハイランドピークの2頭が有力と見ていいでしょう。

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伊吹雅也

競馬評論家。JRAの公式ホームページ内「今週の注目レース」にて“データ分析”のコーナーを、TCK(東京シティ競馬)の公式ホームページ内「分析レポート」にて重賞競走のデータ分析を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラム、『週刊アサヒ芸能』、『競馬王』などさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『WIN5攻略全書 回収率150%超!“ミスターWIN5”のマインドセット』、『コース別 本当に儲かる騎手大全』シリーズ、『コース別 本当に儲かる血統大全』シリーズ、『ウルトラ回収率』シリーズ(いずれもガイドワークス)など。

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