2019年03月16日(土) 12:00
この結果次第で今後の方向性が決まると、タイトルをめざす前哨戦も大詰めを迎えようとしている。早い段階からここを目標にと調整してきたものには、準備怠りなくやってきているだろうが、クラシックを目指す若駒は、まだ個体差が大きい。2ヶ月、3ヶ月の休養で以前とは馬が一変することが多く、成長を促すための放牧で、めざましく変化した姿をかなり見せられてきた。
スプリングSは、1800米という距離に大きな意味があり、この先、皐月賞、ダービーをと突き進むにふさわしいか、NHKマイルCからマイル路線にするか、運命の分かれ道に見えるが、実は、まだ成長し切っていないこの時期、例え皐月賞馬になったとしても、その後マイラーに変身したロゴタイプの例だってある。成長するにつれ、がっちりした体型になり、安田記念でマイルの頂点に立つという典型的な馬だが、今年の顔ぶれからこのタイプの可能性を持つものもいるかもしれない。
デビューしてから徐々に距離を伸ばし、1200、1400米の重賞を勝ち、朝日杯FSで4着のロードカナロア産駒のファンタジストは、明らかに、今回が試金石と言える。賞金は皐月賞出走に十分だから、トライアルでは思い切ったプレイで、自らの課題である距離へのチャレンジが見られるだろう。
暮の朝日杯FS以来となると、そこで9番人気ながら2着と走ったクリノガウディーもいる。年明け、シンザン記念を予定していたのが右トモを痛め、出走がここまで延びてしまった。だが結果的にこの休養がいいリフレッシュ効果となり、ひと回り馬体が大きくなってしっかり成長できたと聞く。正に「禍を転じて福となす」の言葉を地で行くようなもの。
朝日杯FS2着馬と言えば、昨年の勝ち馬ステルヴィオがいる。この2頭の共通点は、いずれも1800米の距離で勝利していることで、これはスプリングSで連対を果たす必要条件になっている。ただ、クリノガウディーは1勝馬という点が、ハードルになっている。連対馬は2勝馬ばかりという最近の流れをせき止めてくれるかどうか。
これら朝日杯FSからの直行組は、かつての2歳チャンピオンのロゴタイプに近いことが考えられるので、その点を注視していくことにしている。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。
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