【騎手のGIコース解説】GII時代に2勝! 浜中俊騎手が大阪杯の阪神芝2000mを解説(無料公開)

2019年03月24日(日) 18:01

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▲テイエムアンコールで制した2010年の大阪杯(C)netkeiba.com

GI恒例・コース解説のこのコーナー。実際にそのGIを勝ったことのある騎手やそのコースが得意な騎手にコースの特徴を解説いただきます。今回はGII時代に2勝を挙げた浜中俊騎手が登場。どちらも6番人気ながらGI馬に先着する見事な手綱さばきでした。そして今年は有力馬の一角エアウィンザーに騎乗します。GI昇格後3回目となる今年は豪華メンバーの一戦ですが、三度GI馬を抑え優勝なるでしょうか。

(取材・文:不破由妃子)

阪神は距離に関わらず、紛れが少ないイメージ

──大阪杯はGII時代にテイエムアンコール(2010年)とショウナンマイティ(2012年)で2勝されていますね。それまで後方からの競馬が多かったテイエムアンコールですが、あのときは好位4番手から。その位置取りについては、どんな戦略があったのですか?

浜中 ドリームジャーニー(1番人気)が後ろからくるので、コース的にもある程度前目の位置で積極的に立ち回れたらいいなと思っていました。ただ、それまでの競馬でなかなか前に行けていなかった馬なので半信半疑ではありましたけど、あのときはとにかく馬の状態がすごくよくて、スタートも決まって。思い描いていた以上に器用な立ち回りをしてくれましたね。

──ショウナンマイティは一転して4角最後方の競馬。あの内回りコースで、文字通りの直線一気を決めました。とにかく強烈な脚だったことを覚えています。

浜中 すごい脚でしたよね、ホントに。あのレースは、ただただマイティの競馬に徹した結果です。


──前年の神戸新聞杯から武豊騎手に乗り替わりになって、再度浜中騎手に手綱が戻ってきた初戦でしたよね。以前、「自分が乗っていない間も、ずっとマイティの姿を追っていた」とおっしゃっていたくらいなので、あの大阪杯はさぞ力が入った一戦だったのでは?

浜中 はい。あの大阪杯は、僕にとって忘れられないレースのひとつです。すごくうれしかったですし、馬を信じていたからこそできた競馬だったと思います。内回りですから、本来なら追い込むのは難しいコースですからね。

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▲「最後方待機はマイティを信じていられたからこそ、忘れられないレース」(C)netkeiba.com

──大阪杯の2勝を含め、阪神芝2000mでは19勝を挙げていらっしゃいますが、コースの特性としてどんなイメージを持っていますか?

浜中 阪神芝2000mでいうと、スタート直後と最後の直線に上り坂がありますが、感覚としてはフラットに近いようなイメージです。中山の急坂ほどの存在感は感じませんし、コース全体としても京都の2000mのほうが難しいですしね。

──京都の内回り2000mは紛れの宝庫ですものね。ただ、スタート直後に上り坂があることで、ペースが上がりにくいという特徴があると思うのですが。

浜中 それはありますね。そこでスタミナを使いすぎると最後の脚に影響が出るので、多少意識はします。あと、内回りの割には3〜4コーナーの作りがゆったりしているので、そこでどう動くのか、あるいは動かないのか。内回りは直線もそれほど長くないので(Bコースは359.1m)、ある程度いい位置で直線を迎えたいし、かといって早めに動きすぎると最後の坂で苦しくなってしまう。イメージ的にフラット近いとはいっても、そこは3コーナーの下りからゴールまでスピードに乗っていける京都とは違いますから。でも、阪神は距離を問わずに乗りやすいですよ。先入観を持たずに乗れるコースというか。

──馬本位で作戦を立てられるということですか?

浜中 そうですね。紛れも生じにくいですし。距離は違いますけど、桜花賞なんてホントに力通りに決まりますからね。

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▲「坂はあってもフラットに近く、先入観を持たずに乗れる」と語る浜中騎手(C)netkeiba.com

過去2勝はいずれもピンク帽 それでも外枠は「嫌だなぁ」

──枠順の有利不利についてはどういう印象がありますか?

浜中 あんまり外すぎるのは嫌です。

──そうなんですね。大阪杯の2勝は、どちらも12頭立ての8枠11番だったんですけど…。

浜中 あれ(笑)? でも、普段は外が当たると嫌だなぁと思いますよ。

──余談ですが、大阪杯の2勝は「8枠11番」に加え、「6番人気」という共通点もありました。

浜中 そういえばそうでしたね。じゃあエアウィンザーも6番人気がいいです(笑)!

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▲過去2勝は“8枠11番”で“6番人気” エアウィンザーの枠順と人気にもご注目!(C)netkeiba.com

──メンバー的にあり得なくもないですね(笑)。エアウィンザーとは3走前のカシオペアS(1着)以来のコンビとなりますが、最後に大阪杯に向けての意気込みを聞かせてください。

浜中 すごく乗りやすい馬で、操縦性の高さが何よりの武器だと思ってます。スタートや折り合いにも不安がないですし、同じ阪神芝2000mのチャレンジCを勝っているので、コース適性も間違いなくありますしね。ジョッキーにとって、心配の種がないのは何よりです。チャンスは十分にあると思っているので、できれば真ん中より内目の枠を引いて、立ち回りの上手さを生かした競馬をしたいですね。

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