秋の大一番を見据え、昨年の1、2着馬が再び対決!/さきたま杯

2019年05月28日(火) 18:00

連覇かリベンジか、秋の主役の座をかけた一戦

 5月29日(水)、浦和競馬場で行われる『第23回さきたま杯』は、黒船賞、かきつばた記念に続くダート1400mのダートグレード競走。今年はJBCスプリントが同じ舞台で行われるとあって、例年以上に秋の大一番を見据えた戦いになりそうです。

 昨年のレースでタイム差無し・ハナ差の接戦を演じた1、2着馬、サクセスエナジーとキタサンミカヅキが揃って出走。

昨年のさきたま杯で激戦を繰り広げたサクセスエナジーとキタサンミカヅキに注目(写真は18年さきたま杯ゴール前、撮影:高橋正和)

 さきたま杯はリピーターが活躍することが多いレースで、連覇を飾ったスマートファルコン(2009年、2010年)、ノーザンリバー(2014年、2015年)をはじめ、キングスゾーンは2007年2着、2008年3着。スーニは2010年2着、2011年3着。ナイキマドリードは2011年1着、2012年2着、2013年3着。セイクリムズンは2012年1着、2013年2着、2014年3着と上位争い。サクセスエナジーの連覇なるか、キタサンミカヅキのリベンジなるか、2頭の対戦も楽しみでなりません。

 人気を集めそうなサクセスエナジーは昨年、かきつばた記念、さきたま杯と重賞連勝。その後夏以降は勝ち鞍を挙げられずにいましたが、今年1月のリステッド競走・すばるS(京都・L・1400m)を快勝。4コーナーで先頭に立つと直線は後続を引き離し、3.1/2馬身差でゴール。1400mへの適性の高さを改めて見せてくれました。続くフェブラリーSは8着でしたが、前走・黒船賞で再び1400mに戻ると1番人気に応え、ダートグレード競走3勝目を達成。1400mは【6-1-0-5】と抜群の相性。連覇に向けて視界良好です。

昨年のさきたま杯で激戦を制したサクセスエナジー(写真は18年さきたま杯優勝時、撮影:高橋正和)

 昨年2着だった船橋のキタサンミカヅキ。道中後方から徐々に押し上げ、直線ではサクセスエナジーと並び文字通り一騎打ち。最後まで勝ち馬に食い下がり同時にゴールし、ハナ差2着の惜敗。「負けて強し」の戦いぶりでした。続くプラチナC、アフター5スター賞と南関東競馬の重賞連勝。

 さらに3連勝で東京盃も制覇(東京盃は2017年、2018年を連覇)。東京盃ではサクセスエナジー(7着)を破り、JBCスプリントでも見せ場たっぷりの3着。NARグランプリ2018年度代表馬に輝いた、地方競馬のチャンピオンホース。9歳になった今年も4月の東京スプリントを制し、まだまだ衰え知らず。前走は1600mのかしわ記念で5着でしたが、距離短縮で巻き返し濃厚。昨年、僅かな差で取り逃がしたタイトル奪取を狙います。

9歳になった今年も、まだまだ衰え知らずのキタサンミカヅキ(写真は今年4月の東京スプリント優勝時、撮影:高橋正和)

 ウインムートは2走前、兵庫ゴールドトロフィーで重賞初制覇。逃げたサクセスエナジーをアタマ差とらえての勝利で、小回りコースへの適性の高さを見せました。浦和コースは昨年9月のテレ玉杯オーバルスプリント(8着)以来。全兄ドリームバレンチノはさきたま杯で2015年5着、2016年3着、2017年6着。果たして兄の成績を超えることが出来るか、楽しみな1頭です。

小回りコースへの適性の高さを見せたウインムート(写真は18年兵庫ゴールドトロフィー優勝時、撮影:稲葉訓也)

 メンバー中唯一のGIホース・モーニン。昨年3月、コーラルS(阪神・OP・1400m)で2016年のフェブラリーS以来2年1か月ぶりの勝利を挙げ、さらに9月には韓国に遠征し韓国GI・コリアスプリント(1200m)を制覇。コリアスプリントで手綱を握った藤井勘一郎騎手と久しぶりのコンビも楽しみ。さきたま杯は一昨年ホワイトフーガの2着。リピーターという意味でも見逃せない存在。

メンバー中唯一のGIホースであるモーニン(写真は16年のフェブラリーS優勝時、撮影:下野雄規)

 JRA勢のもう1頭はサンライズノヴァ。昨年11月の武蔵野Sで重賞2勝目。1400m戦はここまで【2-2-0-1】と好相性も、重賞では昨年1月・根岸Sの2着が最高着順。地方競馬参戦は2017年のジャパンダートダービー(6着)以来。初めての浦和コースへの適性が問われる一戦です。

 さきたま杯の過去5年を振り返ると、2014年川崎のトキノエクセレント(2着)、2015年浦和のリアライズリンクス(3着)、2016年大井のソルテ(1着)、2018年船橋のキタサンミカヅキ(2着)、浦和のアンサンブルライフ(3着)と5頭の地方馬が馬券圏内に健闘。今回も前述したキタサンミカヅキの他にも期待の地方馬が出走します。

 浦和のブルドッグボスは2017年、クラスターCを制して重賞初制覇。同年にはJpnI・JBCスプリント3着もあり、NARグランプリ2017最優秀短距離馬に輝きました。今回は昨年4月のかきつばた記念(5着)以来、1年1か月ぶりの休み明けで、どこまで仕上がっているかがカギとなります。

NARグランプリ2017最優秀短距離馬に輝いたブルドッグボス(写真は17年クラスターC優勝時、撮影:高橋華代子)

 昨年9番人気で3着だった浦和のアンサンブルライフ。ダートグレード競走では他にも2015年に全日本2歳優駿3着(5番人気)、2017年さきたま杯4着(7番人気)、2018年テレ玉杯オーバルスプリント4着(7番人気)など人気以上に走る傾向があり、今回もひとつでも上の着順を狙います。

人気以上に好走し続けてきたアンサンブルライフ(写真は17年のアルクツールス賞優勝時、撮影:高橋正和)

【今回のイチオシ馬】

・キタサンミカヅキ

浦和競馬場で行われるJBCスプリントはこの馬にとってJpnI制覇の最大のチャンス。前走、ベストな距離と言えない1600mのかしわ記念でもゴール前で伸びて掲示板を確保。距離短縮で前走以上は確実。昨年の2着のリベンジを!

【気になる馬】
・モーニン
リピーターが活躍するさきたま杯で、忘れてはいけない一昨年の2着馬。得意の左回りコース。藤井勘一郎騎手の手腕にも期待。

 11月4日(振・月)に今年は浦和競馬場で行われるJBC競走。JBCスプリントは今回と同じ1400m戦。秋の大一番を見据えた面々が揃った第23回さきたま杯。サクセスエナジーの連覇なるか?キタサンミカヅキが2016年ソルテ以来の地方馬による勝利を挙げるか?この2頭を撃破する馬が現れるのか?例年以上に熱い戦いになりそうです。

さきたま杯の出馬表はこちら→→→場外発売所一覧はこちら→→→浦和競馬のホームページはこちら→→→地方競馬情報サイトはこちら→→→

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荘司典子

埼玉県出身。フリーアナウンサー。競馬好きが高じてこの世界へ。2001年から15年間、グリーンチャンネルで「中央競馬全レース中継」のキャスターを務める。2016年度から「グリーンチャンネル地方競馬中継」のコメンテーターとして出演。さらに全国各地の競馬場のトークイベントに参加するなど、中央競馬・地方競馬の垣根を越えて活躍中。

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