先週の競馬から見えてきたもの

2019年06月07日(金) 12:00

そして今週は?

 先週の安田記念は、いろいろとありすぎましたね…。と同時に、日頃から感じてきた「馬作りとは?」「人としての在り方」など、レース後にいろいろと見えてきたものがあったような気がします。そんな中、さすがだなぁ〜と思ったのが、国枝調教師とアーモンドアイ。

「今日はアレが全てかな…アクシデントが命取りになった。それを思えば走っている」と。

 故意ではない上で起こしてしまったハプニング。これは競馬にはつきものですし、ファンの思いや馬のこと、そして騎手だからこそ感じる点から心を痛められていたように思える武豊騎手。

 国枝師のコメントからは、そのような思いも全て理解されていたかのように思えましたし、国枝師の最後の言葉どおり、ゴールまで勝利めがけて走りぬいてきたアーモンドアイとルメール騎手は、ほんとに見事。今回の3着は負けではなく勝ちに等しいもの。ほんとに立派で感動しました。

 そして勝ち馬であるインディチャンプ。これまた福永騎手が見事な誘導。好枠やこれまでの関係性が繋がっての勝利でしたし、音無師が前回を踏まえての調整もあった中。

 全てがかみ合いましたね。

 さて話は変わり、息子も5歳となり自分のことは自分でできるようにもなったことで、今年から私も新たな仕事をスタート。

 今までは、どちらかというと出来上がったものにゲストとして参加させてもらう形が多かった中、今回は制作会社の方々と話し合いをしながらの物づくり。

 過去1度だけ、グリーンチャンネルでの「トレセンタイム」という番組において、小さなカメラで馬や担当者の方々の話を取りたいと提案をし、それが叶ったことはありましたが、今ではそれも定着しつつある形に。

 今回はそういった部分的なことだけでなく、ゼロから全てをみんなで一緒に作り上げていく形で、非常に面白みを感じています。

 何だかこの感覚、10日競馬や分担制になりつつあるトレセン社会の中で、ベテラン厩務員さん方が、

「馬を作っている感覚がなくて…寂しいというか…やる気が…昔のように1つ1つ作り上げていくのが楽しく、また感じ取れることや結果がでた時の喜びも大きかった」と話されていますが、何だか似ているような…。

 だんだんとテレビの時代からユーチューブへと変化しているのも、このあたりもあるような気がします。

 さて話を週末の競馬に。エプソムカップ、栗東からはソーグリッタリングの調子が良さそう。

 兼武助手も、「前走後に少しトモに疲れはきたけど、それもケア&回復をし、今は良い状態」と。

 ソラを使うタイプゆえ、抜け出すタイミングが難しいですが、2走前の浜中騎手はその点を理解しての騎乗振り。どんなレース&騎乗となるのか?楽しな1頭です。

 それでは皆さん、週末は競馬場もしくはフジテレビ「みんなのKEIBA」でお逢いしましょう。ホソジュンでしたぁ。

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細江純子

愛知県蒲郡市出身。JRA初の女性騎手として96年にデビュー。2000年には日本人女性騎手初の海外勝利を挙げ、01年6月に引退。 現在はホース・コラボレーターとして、フジテレビ系『みんなのKEIBA』などに出演。

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