2019年06月15日(土) 12:00
大きな眼を持っている馬が、その直径およそ4.5センチ、人間の2倍の眼球で見ている世界は、想像以上のものに違いない。聴覚とあわせその感覚に頼っている度合いがどれほどであるか、そのことをしっかり承知しておくことが大切だ。
と言うのも、今週のユニコーンステークス、ダート1600米のレース傾向を見るうちに、ひとつの思いが強くなったからだ。東京のダート1600米は、スタート地点が向正面の右手の芝コースの上。ここからまっ直ぐ走ってダートコースに入っていく。
以前、このスタート地点からダートコースに入る所を実際に見に行ったことがあった。芝生の上のスタート地点に立って進行方向を見て目に入ったのが、ダートコースの内側をめぐる柵。ちょうど第2コーナーをカーブして向正面に出ていくところで、出走馬はスタートして芝生からダートに入って直ぐこの内ラチの柵が目にとび込んでくるので、危険と映る筈だ。特に内枠を引いた馬は、神経を尖らせるだろう。
ユニコーンステークスは外枠の方が走りやすいと言うのも、このコースの状況を見たことで納得できた。外からの圧迫を受ける中、内ラチの危険を回避することに神経を使って走る馬に対し、思い通りにレースが進められる中枠から外側の馬たち、この違いは、これまでのレース結果からはっきり見えている。
このハンデを跳ねのける馬は、並以上に強いか、よほどの幸運ということになる。
物事はその働きも存在も、いろいろな条件が重なってそうなっているので、その条件が変われば結果も変わってくる。その変化をどう捉えているか。競馬とて、同じことが言えるということだ。
ユニコーンステークスと同じ土俵の青竜ステークスは、このレースとの関連が強いが、今年は、このレースの勝ち馬デュープロセスが4連勝を達成した前走が有利な外枠だったのに対し、2着で4連勝を阻まれたデアフルーグは不利な1番枠からのレースだった。
このことを前提にユニコーンステークスの結果を結びつけて、今後の参考にしたい。同じ見方から、ヒヤシンスステークス組にも応用できる。しかし、今年はちょっと枠順が内すぎるのが気になるし、ノーヴァレンダのような外の馬からくい込む馬を見つけたい。いずれにせよ、勝ち馬の今後は明るい。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。
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