【セレクションセール2019】セール市場最高の売却率に/北海道市場

2019年07月17日(水) 18:00

多くの上場馬に声かかり、活気溢れる競りに

 昨日、新ひだか町静内の北海道市場を会場に、日高では今年初めてとなる1歳市場のセレクションセールが開催された。

 展示の行なわれた前日(15日)から、会場にはかなりの数の購買関係者が詰めかけ、大賑わいであった。活況を呈した前日展示の勢いそのままに、当日も前年比103人増の687人が購買登録を済ませ、午前10時より始まるセールに備えた。

 牡178頭、牝58頭の計236頭が上場され、牡154頭、牝43頭の計197頭が落札。売却率は83.47%に達し、このセール史上最高となった。

 売り上げは税込31億327万2000円。前年が23億4835万2000円だったので、実に7億5492万円の増加である。

 上場頭数は前年比43頭増、落札頭数もまた48頭増え、売却率も6.27%上昇したが、平均価格は前年よりもわずか8102円減少し、1575万2650円であった。

 最高価格馬は167番オーシャンフリートの2018(牡黒鹿毛、父パイロ、母の父アフリート)の3600万円(税込3888万円)。生産、飼養者ともに新冠・(有)村田牧場で、落札者は小笹公也氏。

生産地便り

セレクション最高価格馬オーシャンフリートの2018の落札場面

 当馬の母オーシャンフリートは京都の1400ダートを得意とし河原町ステークスなど5勝を挙げた牝馬で、その母とダートに実績馬の多いパイロとの間に生まれた黒鹿毛の見映えのする馬体が評価され、ひじょうに激しい競り合いとなった。

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セレクション最高価格馬オーシャンフリートの2018の立ち姿

 次点は2頭。139番リアルヴィーナスの2018(牡鹿毛、父ロードカナロア、母の父ネオユニヴァース)と、145番レックスレイノスの2018(牡栗毛、父ハーツクライ、母の父Intikhab)が3550万円(税込3834万円)で並んだ。

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セレクション次点リアルヴィーナスの2018の落札場面
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セレクション次点レックスレイノスの2018の落札場面

 前者は浦河・(有)笠松牧場の生産馬で飼養者は(有)チェスナットファーム。母リアルヴィーナスは葵ステークス(現重賞)を含む3勝し、本馬は初仔である。

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セレクション次点リアルヴィーナスの2018の立ち姿

 またレックスレイノスは米英2勝、アメリカンオークス(G1)3着の実績がある。生産は新ひだか町三石・(有)下屋敷牧場、飼養者は(有)浦河育成センター。落札者は森中蕃氏。

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セレクション次点レックスレイノスの2018の立ち姿

 牝馬では、154番ムーンライトベイの2018(栗毛、父モーリス、母の父High Chaparral)の2800万円(税込3024万円)が最高価格馬であった。本馬の半姉シゲルピンクダイヤは、現3歳馬で、今春、チューリップ賞2着、桜花賞2着と健闘したことは周知の通り。この馬も激しい獲得合戦になり、シゲルピンクダイヤと同じく、森中蕃氏が落札した。

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セレクション牝馬最高価格馬ムーンライトベイの2018の落札場面

 因みに半姉シゲルピンクダイヤも2017年の当セール出身馬で、半姉の落札価格は1600万円(税込1728万円)であった。一方の現時点における獲得賞金は7716万円で、当セール出身の同世代馬では、一番の稼ぎ頭ということになっている。生産は日高・(有)天羽牧場、飼養者は(有)荻伏共同育成場。

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セレクション牝馬最高価格馬ムーンライトベイの2018の立ち姿

 市場最高の売却率が示すように、セールを見ていても、ひじょうに多くの上場馬が売れていた印象だ。4000万円超の突き抜けた高額馬こそいなかったが、これはという上場馬には必ず声がかかり、2000万円〜3000万円台に達するケースが目立ったセールであった。

 上場頭数236頭は、前週のセレクトセール1歳セッションとほぼ同数(セレクトは239頭)ながら、売り上げの比較ではもちろん到底及ばない。しかし、日高の現状を考えると、ディープインパクト産駒不在、キングカメハメハ産駒もわずか1頭という中で、この数字が残せたのはある意味大健闘であろう。

 セールを総括して、主催者の日高軽種馬農協・木村貢組合長は「高い売却率と、税込30億円を超す売り上げについては、ひじょうに驚いていますし、ただただ購買者の方々に感謝あるのみです。昨年からセリ日程を変更してきていますので、細かな数字に関してはあまりこだわるつもりはなかったのです。売却率、総売り上げについてはそこそこ行けば良い、25億円程度あればとは思っていました。昨年、一昨年と年間売上が100億円を突破した勢いがまだまだあるのではないかと考えています。

 前半はやや低調なムードで推移しましたが、50番を過ぎたあたりから徐々に盛り上がって来ましたね。この頭数を、この売却率で売れたという点を評価したいと思っております。当セールは、実績のある種牡馬の産駒を揃えることは難しい面がありますが、新種牡馬の産駒が揃えば購買者の方々に興味を持って頂けるのではと思っています。モーリス、ホッコータルマエなど、北海道市場から出た馬の産駒が上場されて、良く売れていましたから」と語った。

 さらに言葉をついで「ただ、今年も数頭、場内で放馬が発生したり、パレードリンクでも馬が暴れて人が怪我をしそうになる場面もありましたので安全対策を十分に考えたいとは思っています。上場馬はとにかく体を作って、いわゆる“馬が張った”状態で来場しますから、特に非力な女性では御し切れない面もありますね。テンションの高い馬を技術だけでは抑えられない難しさがあるとは感じます。駐車場の方まで逃げて行った馬がいたことなど考えると、ゲート設置等の対策が必要になるかもしれません」と結んだ。

 なお次回セールは、8月19日〜22日の4日間の日程でサマーセールが予定されている。上場(予定)頭数は牡724頭、牝546頭の計1270頭となっている。

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田中哲実

岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

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