【BSN賞】得意の左回り、父の血が後押し

2019年08月23日(金) 18:01

ここに照準を定めたリピーターも軽視禁物

 北海道シリーズとは別に、真夏の新潟、小倉には古馬オープンのダート中距離戦は、2週前の「阿蘇S」1700mと、この「BSN賞」1800mしかない。関東馬の小倉遠征はなにかと難しく、また層も薄いため、新潟への遠征の容易な関西馬9頭に対し、関東馬3頭の組み合わせになった。

 昨18年の1-3着馬(サルサディオーネ、ナムラミラクル、ローズプリンスダム)がいて、16年の勝ち馬8歳ピオネロは、2度目の新潟ダート1800mになる。M.デムーロを配してやはり2度目の新潟ダートになる6歳グレンツェントは、16年のレパードSダート1800mの勝ち馬。ここに狙いを定めたリピーターは軽視できない。

 6歳ナムラミラクル(父スパイキュールは14年韓国に移動)に期待したい。3歳時に新潟ダート1200mの経験はあるが、新潟ダート1800mは昨年のハナ差2着に続いて2度目。休み明けの6月の東京ダート1600mをひと叩きし、現在では適鞍と思えるここに狙いを定めてきた。

 勝ち星5勝はダート1700m以下。そこでずっと短距離からマイル戦向きとされていたが、ダート1800mは2戦し、1分51秒9(阪神)と、昨年のこのレースの1分51秒8(上がり36秒6)。

 出走例が少ないだけで、6歳になったいま、道中で息が入れやすいこの距離の方が合っていると思える。ダート7戦7勝だった父スパイキュールも最初の5勝は1700m以下だったが、古馬になって1800mを2連勝している。また、ナムラミラクルは4歳秋以降、左回りのダートを集中的に選んで【2-3-1-3】。左回りの方がスムーズに流れに乗れている。

 昨秋のGIII武蔵野Sダート1600mを1分34秒9好時計で3着の内容から、今週の時計の速くなるはずのダートも不利ではないだろう。もともとがスピード系でもある。昨年好勝負だったサルサディオーネ、ローズプリンスダム本線。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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