WASJの騎乗馬のグループ分けを検証してみた

2019年08月29日(木) 12:00

 先週、札幌競馬場でワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)が行われた。騎乗馬は、出走馬を近走の成績などによってAからDまでのグループに分け、各騎手にAからDまでの馬が1頭ずつ当たるようにした。「グループ」は「ランク」ととらえてよく、騎乗馬の質が偏らないようにするための措置であった。

 その馬がどのグループだったかを出馬表に記した新聞は(私の知る限り)なかったようだが、AからDのグループをレープロの出馬表に転記しているJRAの職員を見かけた。もちろん趣味でやっているわけではなく、結果と照合し、グループ分けの確度をチェックするためだろう。

 ということで、私も、グループ分けとレース結果の照合を、ここでやってみたい。

 まずは、WASJ第1戦から第4戦で掲示板に載った馬たちがどのグループだったかを見ていこう。

WASJ第1戦
1着 アリンナ C.ルメール A
2着 ショウナンアリアナ 武豊 B
3着 オフクヒメ 川田将雅 A
4着 タイセイソニック 戸崎圭太 B
5着 ウォーターエデン M.ミシェル B

WASJ第2戦
1着 ウインイクシード K.ティータン A
2着 リリックドラマ 戸崎圭太 C
3着 ゴールドフラッグ 川田将雅 D
4着 ドゥーカ M.ミシェル C
5着 マスターコード 浜中俊 B

WASJ第3戦
1着 スワーヴアラミス M.ミシェル A
2着 リアリスト K.ティータン C
3着 キタサンタイドー 武豊 A
4着 アノ C.ルメール B
5着 ヴォカツィオーネ 川田将雅 B

WASJ第4戦
1着 プレシャスブルー 川田将雅 C
2着 ダブルシャープ J.ルパルー A
3着 ターフェルムジーク C.ルメール C
4着 ケージーキンカメ 吉村智洋 D
5着 フォーラウェイ 三浦皇成 B

 各レースにAからDの馬がそれぞれ3〜4頭ずつ出ていたわけだが、4レース中3レースでAの馬が勝っており、6頭が馬券に絡んでいる。

 騎手サイドから見ると、CやDの馬で上位を確保した川田騎手が優勝し、Aの馬できっちり勝ったルメール騎手、ティータン騎手、ミシェル騎手が2位、3位(同点)になっていることがわかる。

 次は、アプローチを変えて、AからDの馬たちが、それぞれ何着で、何番人気だったのかを見ていきたい。カッコ内が単勝人気である。

WASJ第1戦
A 1(4)、3(2)、13(1)着
B 2(3)、4(6)、5(7)、6(5)着
C 7(8)、8(11)、9(9)着
D 10(13)、11(10)、12(12)、14(14)着

WASJ第2戦
A 1(3)、7(1)、8(4)、11(2)着
B 5(5)、9(10)、14(11)着
C 2(7)、4(12)、6(13)、10(9)着
D 3(8)、12(6)、13(14)着

WASJ第3戦
A 1(3)、3(2)、7(6)、10(4)着
B 4(1)、5(5)、8(7)着
C 2(8)、12(11)、13(10)、14(12)着
D 6(9)、9(13)、11(14)着

WASJ第4戦
A 2(1)、11(5)、14(3)着
B 5(7)、6(10)、8(9)、9(4)着
C 1(6)、3(2)、12(8)着
D 4(13)、7(11)、10(14)、13(12)着

 馬券に絡んでいるのは、Aが前述したように6頭(14頭中)、Bが1頭(14頭中)、Cが4頭(14頭中)、Dが1頭(14頭中)。やはり、Aの安定ぶりが目立つ。

 最後に、AからDまでの着順と人気の平均値を出してみる。

A 6.57着 (2.93番人気)
B 6.43着 (6.43番人気)
C 7.36着 (9.00番人気)
D 9.64着 (11.64番人気)

 Aは、人気を集めておきながら、着順の平均ではBを下回った。人気のプレッシャーゆえか。

 この平均値を見るとBが健闘しているが、馬券に絡んだのは、前述したように1頭(WASJ第1戦のショウナンアリアナ)だけだった。オッズのわりに美味しい、と言い切ることはできない。馬券的な妙味は、たまたまなのかもしれないが、4頭が絡んだCが最上という結果になった。

 また、最初の表に見えるAの馬たちの安定ぶり以上に、Dの馬たちの苦戦ぶりが目立つ。従来の方法では、くじ運が悪く、Dに相当する馬ばかり引いてしまう騎手もいた。そう考えると、出場騎手の騎乗馬の偏りをなくするという点において、今回のグループ分けは、十分効力があったと言えるだろう。

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島田明宏

作家。1964年札幌生まれ。ノンフィクションや小説、エッセイなどを、Number、週刊競馬ブック、優駿ほかに寄稿。好きなアスリートは武豊と小林誠司。馬券は単複と馬連がほとんど。ワンフィンガーのビールで卒倒する下戸。著書に『誰も書かなかった武豊 決断』など多数。『消えた天才騎手 最年少ダービージョッキー・前田長吉の奇跡』で2011年度JRA賞馬事文化賞、小説「下総御料牧場の春」で第26回さきがけ文学賞選奨を受賞。netkeiba.com初出の小説『絆〜走れ奇跡の子馬〜』が2017年にドラマ化された。最新刊は競馬ミステリー『ノン・サラブレッド』。

関連サイト:島田明宏Web事務所

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