2019年09月28日(土) 12:00
今回の中山開催は早くも最終週。ということは、その最後に行われるスプリンターズSから秋のG1シリーズが幕を開けるわけです。
それを迎えるにあたって、久々にデータ作戦を仕掛けてみたくなりました。またしても過去にとらわれてみようという次第。でも調べてみたらちょっとおもしろいことを発見したんです(私が初めて見つけたデータじゃないとは思いますが)。
調べたのは去年まで10年間の成績。春の高松宮記念を勝った馬が、同年秋のスプリンターズSでどういう結果を残していたか、についてです。
ご存知のように、両レースを勝ったのは09年ローレルゲレイロ、13年ロードカナロア、18年ファインニードルの3頭。反対に、春は勝ったけど秋は負けちゃったという馬は、10年キンシャサノキセキ、12年カレンチャン、14年コパノリチャード、16年ビッグアーサー、17年セイウンコウセイと、5頭もいました。あとの2回は春の勝ち馬が秋は不在。今年は春の勝ち馬ミスターメロディが出てくるので、この2回のデータは掘り下げませんでした。
で、おもしろい、と思ったのは、春と秋を勝った3頭と春を勝って秋は負けた5頭の違いがハッキリ表れたこと。それはごく単純な違いでした。
まず勝った3頭は、春の高松宮記念と秋のスプリンターズSの間に2戦していました。09年のローレルゲレイロと13年のロードカナロアは安田記念とセントウルS、18年のファインニードルは香港チェアマンズスプリントとセントウルS。つまり、春制覇の後、夏の前にもう1戦して秋はセントウルSでひと叩き、というローテーションです。
一方、負けた5頭は、春と秋の間に1戦しかしていなかったか、1戦する予定だったもののその1戦の出走を取り消していました。となると今年は…。
では、同年の高松宮記念勝ち馬が出てきて負けた5回のスプリンターズSで勝ったのはどういう馬だったでしょう?
10年のウルトラファンタジーは香港馬。12年のロードカナロアは、同年春の高松宮記念3着以外、10戦6勝2着4回というほぼ完璧な成績を残していました。14年のスノードラゴンは重賞未勝利馬。16年のレッドファルクスは前走のCBC賞で重賞初制覇を果たし、G1に初挑戦してきた馬でした。17年はそのレッドファルクスが連覇しています。
さて今年。ウルトラファンタジーのような外国馬やロードカナロアみたいな実績抜群の馬はいません。スノードラゴンや16年のレッドファルクスみたいな馬にも勝つチャンスがあるのではないか、と思うのですが…。
とはいえ、その2頭にイメージが重なる馬も見当たらないんですよね。それじゃあデータ分析の意味がなくなるので、一番近いタイプの馬として、リナーテを挙げておきます!(単勝はちょっとにして控えめの複勝勝負かな?)
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矢野吉彦
テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。
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