再開間近、姫路競馬場

2019年10月01日(火) 18:00

来年1月の開催へ向けて工事が進む

 2012年8月30日の開催を最後に休止していた姫路競馬場だが、2020年1月、いよいよ競馬が再開される。

7年半ぶりの競馬開催が待たれる姫路競馬場

 約7年半もの長い期間、競馬開催が行われなかった主な理由は、コースの内側を調整池として整備する工事のため。姫路競馬場の東側から南南西方向、姫路城のほうに向かって流れている船場川は、台風などでたびたび氾濫し浸水被害をもたらしてきた。ところが市街地ゆえに川の拡幅が難しく、姫路競馬場の内馬場がその調整池として整備されることになった。

 当初、姫路競馬場は2010年6月24日までの開催で休止となる予定だったが、2012年9月に始まった園田競馬場ナイターの設備工事の期間中、2012年7〜8月にも開催が行われ、その後に休止となっていた。

 調整池の工事と並行して、2016年からはスタンドの耐震工事や全面改装が行われ、今年3月にリニューアルオープン。園田開催の場外発売や、ウインズ姫路としてJRAの馬券発売が行われている。内馬場には大型ビジョンもあらたに設置され、すでに場外発売で稼働している。

 スタンドの建物自体は変わらないが、ファンエリアから業務エリアまで、ほぼすべての場所で改装・改修が行われた。5階の特観席も新しくなり、グループ席や、机のついたスペシャルシートのほか、専用モニターが設置された半個室のようなロイヤルシートがあり、これらもすでに場外発売で利用されている。

きれいになったスタンド1階

 姫路競馬場が大きく変わったことのひとつに、『ひめたんスポーツクラブ』として、いくつかのスポーツ施設がつくられたことがある。これは、姫路競馬場再開後も、やはりメインとして競馬開催が行われるのは園田競馬場のため開催日数も限られ、またネット投票の普及によって競馬場に来場するファンが以前ほどは多くないことから、競馬場のスペースを有効活用しようというもの。スタンド4階が、卓球台16台がずらりと並んだ卓球場とダンス・スタジオ(2室)になっている。

スタンド4階にオープンした卓球場

 さらに『ひめたんスポーツクラブ』としては、調整池がサッカー場としても利用されている。ある程度までの水量であればサッカー場より低いところでの貯水で済むようだが、よほどの水量になるとサッカー場も水没することになる。約12万立方メートルの貯水量は兵庫県内最大級とのことだ。

調整池のサッカー場と新設された大型ビジョン

 来年1月の競馬開催に向けて改修工事は最終段階に入っていて、9月24日からはコースの改修が始まった。路盤からの改修で、砂も全面的に入れ替えられる。使用される砂は、以前と同じ、JRAのダートコースでも使われている青森県六ヶ所村産とのこと。コースの改修は12月中に終える予定となっている。

砂が撤去され改修中のコース

 姫路城を望むことができるパドックは、ほぼ以前のまま。出走馬掲示板はこれから塗装しなおされる予定だが、掲示板自体は手書きのまま残されるとのこと。ちなみに地方競馬でパドックの出走馬掲示板が手書きなのは姫路のほかに、水沢、金沢、名古屋、佐賀だろうか。

姫路競馬場を望むパドック

 今年度予定されている姫路開催は、1月15日から2月6日まで、わずか2開催12日間。ただ今後、園田競馬場でも馬場の大規模改修計画があり(時期は未定)、そのときはまたある程度の期間で姫路競馬場での開催が行われることになるようだ。

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斎藤修

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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