2019年10月30日(水) 18:00
第160回天皇賞秋は、天皇陛下御即位慶祝特別レースでしたが、それにふさわしいくらい、どの馬が勝っても…と思うほど実績馬そろいでした。
海外でもコックスプレート(GI・豪 ムーニーバレー・芝2040m)に矢作厩舎所属のリスグラシュー号が出走。豪快に勝ち切ってくれました。
コックスプレート快勝したリスグラシュー(提供:Racing Photos)
19日には、清水厩舎所属のメールドグラース号がコーフィールドC(GI・豪 コーフィールド・芝2400m)を制覇していますので、2週連続で日本馬が海外で活躍。
凱旋門賞は残念でしたが、この先も日本馬の活躍が楽しみです。
国歌演奏で始まった令和元年の天皇賞秋。緊張の中、例年とは少し違った雰囲気で見ることができました。
綺麗なスタートを決めて、落ち着いて折り合いつけて内ラチを追走。これは内はつけないな…と見ていましたが、ルメール騎手の見事な手綱さばきでした。アーモンドアイ…圧勝です。強かったですね。メンタル面でも成長したように感じました。是非、世界を目指してほしいです。
豪華メンバーの中でも圧勝したアーモンドアイ(c)netkeiba.com、撮影:下野雄規
ディープインパクト産駒が日本競馬界を席巻していましたが、ロードカナロア産駒の活躍馬も多くなってきました。
産駒や血統を見ながらの競馬も楽しいものです。
ここで僕のお宝を…。ディープインパクト、懐かしいですね。僕に生きる力をくれた馬でした。父から仔へ…こんな楽しみ方もいいでしょう。
生きる原動力をくれたディープインパクトの馬券
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令和元年10月22日に行われた天皇即位礼正殿の儀式はご覧になられましたか?
天皇陛下がよどみのないお声で決意を宣言され、心に響きました。
このような歴史的儀式を(TVではありますが)見ることができ、感動と感銘を受けました。また、その瞬間幸せなことだと感じ、心が洗われるような思いでした。
22日は朝から激しい雨でしたが、午後1時頃から雨も上がり、雲の間から青空も見えました。そして、皇居を包み込むようにとっても大きな虹がかかりました。虹を見た瞬間、感動で言葉を失いました。「こんなことってあるんだな…」
この歴史的瞬間を心に刻み込んでおこうと思いました。
この儀式の後の週末に天皇賞・秋(GI・東京・芝2000m)が行われ、こちらも豪華絢爛、GI馬10頭を含む好メンバーがそろいましたね。
東京競馬場の芝2000mは、マイラーでもステイヤーでも勝てないタフなコースだと思うので「これだ!!」と思う1頭を見つけ出すのは、皆さんも難解だったのではないでしょうか?
レース直前、どの馬が勝っても不思議ではないと思うほど各馬万全の態勢で本番へ向けて調整されていました。栗東トレセンへ取材に行ってきましたので、その時のお話をご紹介したいと思います。
まずは、菊花賞を制したワールドプレミア号も担当している友道厩舎から。天皇賞・秋は3頭出しで挑みました。
調教中のワグネリアン
一頭目は、ワグネリアン号について。福永騎手からコメントをいただきました。
「躍動感があり、馬体も仕上がっている。先週は僕が乗り、今週は助手さんできっちり仕上げてくださったので息の入りもよくガツンと来ていましたね。
左回りは3戦3勝だし、長くいい脚を使うので最後までしっかり走ってくれる。(この馬で)ダービーを制覇したし、僕にとって宝物のような馬なので、無事に走ってGIのタイトルを取らせてあげたいと思う。相手は強いが、ダービーと同じ舞台なので頑張ります。応援してください」
ワグネリアンにGIタイトルを!
このコメントから「今度こそ!!」の思いが伝わってきました。思わず「ユーイチ頼むぞ!」と。
二頭目はマカヒキ号について。友道調教師から「動きはいい。息の入りもよかった。馬体もふっくらし、成長しているので、当日は落ち着きが大事だと思う。そのあたりは、豊騎手なので任せます。左回りが得意なので楽しみです」
三頭目のユーキャンスマイル号についても「新潟記念でいい勝ち方をして、成長しているので楽しみです。2000mは得意なコースなので挑戦です」とお話ししていただきました。
続いて、スミヨン騎手にはサートゥルナーリア号について「プロ意識が高く距離には適性がある。能力の高い馬だから落ち着いて乗りたい。音に敏感なので、メンコ着用で万全に備えると厩舎スタッフが色々工夫してくださっている。日本に来ていい馬に巡り会え乗れるのは、非常にうれしい。
ここ2、3年はツイッターなどで日本競馬を見ていたのでずっと日本に来たいと思っていた。馬主の吉田さんやいろんな方に感謝したい。とってもいい馬なので頑張ります。応援してください」とお話をお聞きしました。
ケイアイノーテック号については、鞍上の幸騎手にお話をお聞きしました。
「先週乗ったけどとっても具合がよかった。乗り易い馬なのでマイル以外は、初めてだが楽しみです。NHKマイルは、後ろから行って勝っているのでこの馬の持ち味を生かし末脚を信じて後ろから攻めていこうと思っています。楽しみです。応援してください」
幸騎手にお話をお聞きしました
ダノンプレミアム号は鞍上の川田騎手からのコメント。
共同会見中の川田騎手
「今日CWコースは重かったので他の馬もそうですが参考にはならないと思います。この馬の最高のパフォーマンスができるようにいいリズムで乗りたいと思います」
トレセンでのダノンプレミアム
中内田厩舎と川田騎手のタッグの信頼度は素晴らしいですね。
14日に行われた府中牝馬Sを豪快な差し切り勝ちで重賞初制覇したスカーレットカラー号。稍重でしたが好時計をマークし1:44.5のコースレコード勝ち。
府中牝馬Sで重賞初制覇したスカーレットカラー(c)netkeiba.com、撮影:下野雄規
中1週で天皇賞・秋へ向うのか競馬学校同期の高橋亮調教師にお伺いしました。
「3歳頃は、430kg後半から440kgくらいでしたが、4歳になって馬体もしっかりしてきて470kg以上になり頼もしくなりました。中身が詰まり、力をつけている。オーナーと相談し天皇賞を見送り、エリザベス女王杯へむかう予定です」と、話してくれました。
同期の活躍は、やっぱり嬉しいですね。
高橋亮調教師のGI制覇も見えてきたかなと感じた取材でした。
この他にもアーモンドアイも譲れない1頭。
今回、令和初の天皇賞・秋を制するのはどの馬なのか?とワクワクしながら取材させていただきました。結果は皆さんご存知の通り。歴史に残る名レースになりました。
台風や豪雨被害のニュースを聞くと心が痛みます。夢を託して、力走してくれる馬たちに勇気をもらって欲しいです。被害に遭われた方に心からお見舞い申し上げます。
つねかつこと常石勝義でした。
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常石勝義
常石勝義 1977年8月2日生まれ、大阪府出身。96年3月にJRAで騎手デビュー。「花の12期生」福永祐一、和田竜二らが同期。同月10日タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビュー5か月で12勝をマーク。しかし同年8月の落馬事故で意識不明に。その後奇跡的な回復で復帰し、03年には中山GJでGI制覇(ビッグテースト)。 04年8月28日の豊国JS(小倉)で再び落馬。復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は栗東トレセンを中心に取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)の『常石勝義のお馬塾』(毎週金曜日17:30〜)に出演中。
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