ちょっとうれしい出来事

2019年11月02日(土) 12:00

思わぬめぐり逢いと新たな楽しみ

 今週、JRAのG1レースはひと休み。その代わり(?)、4日(月・振替休日)に地方競馬の祭典“JBC”が行われます。

 今年は初めての浦和開催です。ご存知のとおり、南関東4場の中では最も収容能力が小さい競馬場なので、場内がどのくらい混雑するのか、フタを開けてみないとわからないところがあります。現地観戦を予定されているみなさんは、SNSなどで情報を共有、確認しながら出かけられるといいかもしれません。

 その話の続きは後に回して、今回はまず、先日あった“ちょっとうれしい出来事”からご報告させていただきます。

 前にもどこかで書いたと思いますが、ただいま私、昔あった競馬場の跡を巡る旅にハマっています。もちろんこれは、週刊競馬ブックに「今はなき競馬場を訪ねる地図の旅」という記事を連載しはじめたのがきっかけです。

 で、先日は熊本の山鹿(やまが)、長崎の島原、諫早、佐賀の目達原(めたばる)競馬場跡を歩いてきました。

 そのうち、吉野ヶ里遺跡近くの目達原競馬場跡を訪ねた時のこと。とあるお宅の前で車を降りた年配の男性に、「この近くに競馬場があったのをご存知ですか?」と声をかけてみました。

 するとその方から返ってきたのが「知っとるよ、ウチの親父は騎手やったけん」という答え! ホントにたまたま、全く意図したわけでもなく、そういう方に巡り会っちゃったんです。

 その方のお父さん(Tさん)は、もともとは鹿児島の地方競馬で騎乗されていました。目達原競馬へ馬を連れて遠征した際、寝泊まりさせてもらったのが、競馬場近くのKさんというお宅。その家には跡継ぎの男子がいなかったので、競馬が取り持つ縁で養子になったといいます。「だから、鹿児島で乗っとった時とこっちに来てからとでは名字が違う」そうです。

 もちろん、Tという姓もKという名字も伺っていますから、今度、古い資料をあたって、T騎手、K騎手の成績を調べてみようと思います。いやぁ、楽しみになってきました。

 ところで、目達原競馬場は、はじめはJR長崎本線沿いにあって、後に今の陸上自衛隊目達原駐屯地のあたりに移転したらしく、連載記事にもそのように書き記しました。

 しかし、先ほどの年配男性を含め、何人かの方に伺ってみても、「自衛隊のほうにあったのは知らん」と言われてしまったのです。これはどういうこと? こちらも調べてみなくちゃ。でも、それもまた楽しみなんですけどね。

 さてさて、4日のJBC当日、私は東スポの虎石晃さんや稲富菜穂さんらと、JR浦和駅東口駅前市民広場でサテライトイベントに出演します。われわれが担当するのはJBC3競走の“パブリックビューイング的トークショー”。浦和競馬場で早めに馬券を買ってこちらへ来られたほうが、じっくりレースを見られるかもしれません。終了後もすぐに電車に乗れます。混雑を避けたい方にはオススメですよ!

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矢野吉彦

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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