2019年11月08日(金) 18:00
フロンテアクイーンに注目(写真中央)(c)netkeiba.com、撮影:下野雄規
■エリザベス女王杯(GI・京都芝2200m)
逃げ候補 クロコスミア サラキア ゴージャスランチ
展開 クロコスミアもしくはサラキアが先手を取る形も、どちらも無理にハナをこだわるタイプではなく競り合う可能性は非常に低い。したがって、かなりのスローペースに落ちる可能性も十分にあり得るだろう。また、京都は3〜4コーナーから下り坂の特殊なコース形態。急にトップスピードに乗ってヨーイドンとなれば、外目の差し馬は4角でかなり外に振られるので枠にも注目したいところ。
先週の馬場を見る限りでは内回りコースこそ時計やや掛かり気味も、外回りコースはやや速めの決着が続いている。直線は外目が良い馬場状態も、スローペースで前が残るケースも非常に多いのでその辺りには注意したい。理想は極端な位置取りの馬よりも好位からの競馬が得意の自在性のあるタイプ。
1.クロノジェネシス 展開◯ 馬場◯ コース◯
前走の秋華賞は展開面と枠に恵まれる競馬も、ぶっつけ本番でのレースを考えると価値のある勝利であった。また、距離延長に関しても2200mであれば問題なさそうで、緩い流れに対応する能力も兼ね備えている。叩いたここは引き続き注意が必要で、他の3歳牝馬のレースを見ても3歳と古馬の実力差はほぼ互角に近いので乗り方さえ失敗なければ上位に来る可能性は高そうだ。
総合評価 B
2.ラヴズオンリーユー 展開◯ 馬場◯ コース◯
前走のオークスは前が流れた展開を見逃さない勝利で、4連勝中とまだまだ底を見せていない馬。直線やコース問わず一定の力を発揮できるのがこの馬の長所で、京都外回りコースに関しても新馬戦で経験している強みもある。枠に応じた競馬も可能であることを考えると、休み明けのハンデさえ克服できれば5連勝も期待できる楽しみな1頭である。
3.ラッキーライラック 展開◎ 馬場◯ コース◯
前走の府中牝馬ステークスは絶好の勝ちパターンから2頭に差される3着で、内容だけ見ると物足りなさを感じる競馬であった。ただ、スローペース濃厚のここならば再度チャンスがありそうで、スミヨン騎手への乗り替わりも大きなプラス要素と言える。2、3着には必ず取り上げたいところで、相手候補の1頭の評価としたい。
総合評価 C
4.クロコスミア 展開◎ 馬場◯ コース◯
前走の府中牝馬ステークスは昨年同様に東京らしい競馬が響く敗戦で、やはりベストはマイルもしくは先手からの競馬である。ただし、昨年2着に好走しているように2200m戦でもマイペースに持ち込めば今年も楽しめそうで、サラキアとの兼ね合いがポイントとなりそうである。枠や当日の馬場次第で評価を柔軟に対応したいところで、展開は向くだけに必ず相手には入れたい1頭。
危険な人気馬 1.スカーレットカラー 展開△ 馬場◯ コース△
前回のビーチサンバ、札幌記念のワグネリアンに続く今回の危険な人気馬はスカーレットカラーとしたい。前走の府中牝馬ステークスはこの馬が最も力を発揮できる条件が揃っての好走。馬群が良くないタイプだけに18頭立てのスローペース、京都の外回りでは相当厳しい競馬が予想される。岩田騎手だと馬群もしくは内を狙っていくレースとなりそうなので、よほど外枠を引かない限りは無印としたい。
総合評価 D
狙える穴馬 1.フロンテアクイーン 展開◯ 馬場◯ コース◎
前走の府中牝馬ステークスは勝ち馬にこそ捉えられたが、ラッキーライラックには先着したことを考えると及第点の動きであった。さらに、昨年は勝負所で前が詰まる非常に悔しい競馬で、自在性が生きる京都2200mのコースとの相性も抜群と言える。関東の津村騎手騎乗はやや不安要素も、昨年と同じような競馬が出来ればあっと言わせる場面がありそうだ。
今年の3歳VS古馬の過去のレースを見ても、3歳勢と古馬勢の実力はほぼ互角に近いだけに牝馬の最強決定戦に関しても非常に難解の一戦で枠や展開によって結果が大きく変わりそうである。やはりそういった状況であれば、自在性のある馬と騎手の腕が試されるレースで、特殊なコース形態を上手く利用した馬が上位に来る可能性が高い。
まだまだ底を見せていないラヴズオンリーユーの取り扱い。また、ヴィクトリアマイル3、4着のクロコスミアとラッキーライラックの取捨選択など難しい要素が多く含まれている。そして、穴馬フロンテアクイーンにも注目して欲しいところである。もちろん、当日の馬場にも注視する必要があるので、ギリギリまで考慮した上で最終的な予想を組み立てたい。大波乱もあり得る今年の一戦は攻めた予想で勝負するつもりなので、ぜひ枠順確定後の最終決断に期待して欲しい。
■プロフィール 倉本匠馬(くらもとたくま) インターネットメディア(ブログ・Twitter)などで競馬予想家アドマイヤ君として自らの予想術を駆使して、多数の読者・フォロワーを集める。無料・有料メールマガジンでの予想配信も行う。
【経歴】 2013年 マイナビ主催の競馬予想登竜門で優勝し、競馬予想GP公認プロとしてデビュー 2014年 倉本匠馬に改名。重賞レースで年間約140%の回収率をたたき出す 2015年 ほぼ4年に渡り競馬予想GPにて中央競馬予想家2位を継続。(2017年現在も)また、重賞レースで年間116.6%、G1レースでは232%の回収率を計上。 2016年 e-SHINBUNにおいて『fourmarks~新星競馬予想家の多角分析~倉本匠馬produce』の新聞販売開始。
【予想を主としてるファクター】 展開予想 →Vポジションという理論を使い、そのレースの中で最も恵まれるポジションを割り出し、勝ち馬を見つけ出す。
Vポジションとは 『その競馬場のコース形態や距離、当日の馬場状態、メンバーなどを考慮した上で、勝つ可能性が高い位置取りのこと』です。各レースの逃げ馬から最後方までの馬の並びやペースなどを予測し、そこから一番有利に働く馬のポジションを導き出し、勝ち馬を見つけ出す理論。
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