競馬好きにオススメの本や映画などを紹介!

2019年11月16日(土) 12:00

競馬の様々な楽しみ方

 今回は、この場をお借りして3つの“宣伝”をさせていただきます。

 まず1つめ。『奇跡の名馬II-Fターフメモリー-』(株式会社パレード刊、2154円+税)という本が発売されました。その“オビ”には「歴史的名馬本、ここに極まる」と書かれているのですが、確かにこの本、極まっています。

 と書いてはみたものの、それを説明するのはハッキリ言って困難です。なにしろ全777ページ(この数字にも意味があるようです)からなる大作。古今東西89頭の名馬にまつわる逸話はもとより、世界の競馬や騎手に関する様々な記録なども紹介されています。

 これをまとめ上げたのは兼目和明さんという方。2010年に、南米競馬に詳しい大岡賢一郎さんとの共著で、前作『奇跡の名馬』を出版されました。そこには111頭の名馬物語が記されているので、それと合わせると、なんと200頭が網羅されたことになるわけです。

 今作には、兼目さん、大岡さんだけでなく、浅野靖典さんや荘司典子さんら、多彩な執筆陣が寄稿しています。実は私も、アローエクスプレスとばんえい競馬のキンタローの項を書かせていただきました。さらに、私が今年9月末までに訪れた国内外全266競馬場のリストや、それに関連して執筆したコラムも添えられています。

「だから宣伝してるんだ」なんて言わないでくださいね。とにかく“極まっている”名馬本なのです。ぜひお買い求めの上、先を急がずじっくりとお読みください。

 2つめは、映画『馬ありて』公開のご案内です。日本に今も息づく重種馬と、それを取り巻く人にカメラを向け、モノクロの映像に仕立て上げたドキュメンタリー作品。当然ながら、ばんえい競馬や“草ばんば”、チャグチャグ馬コや山の中で働く馬のシーンなどがふんだんに織り込まれています。

 映画を見て何を感じるか、どう考えるかは人それぞれ。私がここであれこれ書くと、先入観や雑念を与えてしまうかもしれないので、それはやめておきます。

 でも、日本の馬文化に興味をお持ちの方、馬好きの方にはぜひご覧いただきたい作品です。いや、それだけでなく、いろいろな方に見ていただいて、日本にはこんな馬と人たちがいる(いた)、ということを知ってほしいと思います。東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムで11月30日(土)午前11時から公開スタートです。

 そしてもう1つ。京都の宇治市歴史資料館で12月1日(日)まで開催されている『宇治の電車・京都の電車-「観光」の時代-』もご紹介します。これはもちろん“鉄”必見の特別展ですが、京都競馬場や長岡競馬場に関連した展示品もあり、“ウマテツ”の方も楽しめます。中でも、1936(昭和11)年の大スタンド竣工を記念して製作された絵はがきは逸品です。

 “文化の秋”。競馬の楽しみは馬券だけにあるわけじゃありませんよ!

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矢野吉彦

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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